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花音はわかっていた。人はそんなに弱くない。
誰かを傷つけたり否定しなくても生きていけることを。
こんな兵器に頼らなくとも最善の未来は自分で手に入れることができると。
自分自身が機械だということ。そして人に似た感情を持っていること。
それは同族を壊す事に十分な抵抗を与えた。そして知らず知らずに人間の命しかとらない事を己に課していた。
目的を邪魔をする人間がいれば容赦なく叩き斬った。
ジーナにとって食にはまだ抵抗があるところもあるようだったが、
食事のときにはよく笑うしよく喋る。
ある日の晩、たまに影郎が夜にいなくなることを花音に尋ねた。
しかし最大の特徴は出力ではない。起動時に内部から滲み出る特殊な液体。
それは機体全面を覆うと硬化し、受動的に触れたあらゆるものを瞬時に分解する。
分解されたものは吸収されエンジンのエネルギーとなる。無敵の盾だった。
エンジンの無尽蔵としか思えない出力はどんなものでも火器に仕立てあげた。
身近な物が悪意ひとつで凶器になるように、どんなものでも。
あらゆる産業が介入し、経済道具のひとつと言っても過言ではなかった。
しかしこの世界の終結を望まぬ者達もいた。
首都にあったみっつのエンジンは消え、それと同時に各県の兵器製造は芳しくなくなった。
突如現れたふたつの強化外骨格が完成を阻止していた。それぞれの想いのもとで。
その凄まじい性能と副作用は世界を震撼させた。
各国はそのエンジンで兵器を作れないかと出資する。
誰もがそれの完成がこの冷戦が焦土によって終結ことと理解した。