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近代詩伝道師Pippoの活動情報。ほぼ日替り詩歌。2009年〜気さくな詩の読書会「ポエトリーカフェ」主催→ 次回は 出張《平井晩村 篇》7/13(土) @前橋文学館

📚『心に太陽をくちびるに詩を』『一篇の詩に出会った話』『人間に生れてしまったけれど 新美南吉の詩を歩く』。P個人 @pippoem
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ききょう /松月院
1945年(昭20) 6月25日

木下杢太郎が晩年、亡くなるまで描きつづけた『百花譜』(昭和18年3月~20年7月までの872枚の植物図譜)より

5 37

この一分も我が一生の一分だ
──時計を見つつ思いたるかな

新美南吉

5 49

ぼくの詩などは
ほとんど盗作 君たちの
陽からの盗作
風からの盗作
土地からの盗作
海からの盗作である

*
なろうことなら
君もまたぼくを 所属不明の
ぼくの生命を
盗作して欲しいもの
ぼくらの肉体も心臓も私有はできない
ぼくらは共有物だもの!

中江俊夫『就航者たち』13より

3 38

だれが教えてくれるだろう?
ぼくが忘れてしまったことを。石たちの
眠り、飛ぶ鳥たちの
眠り、木々の
眠り、──暗闇に
それらの話し声がするのに?

ボブロフスキー/檜山哲彦訳「つねに名付けること」より
(『ドイツ名詩選』)

6 40

あの日の
まゝで
またいつ
逢ふやら
逢はぬやら
たんぽぽが
散るに
そつと
おかへり。

竹久夢二「春はとぶ」
(『青い小径』1921)

9 34

いったい 
悪はどこにあるのだろう

病める花々
病むというのは「悪い」ということ

 *
こころざし
という単語を見て
すごく吐いた

北村太郎『悪の花』(1981)より

3 29

見えない鳥が
わたしに見える。
見えない鳥に
わたしが見えるか。

*
見えないが
見える痛みと。
見えていて
見えない苦みと。

このあたりか
あのあたりか。

安水稔和「見えない鳥が」より
(『ことばの日々』)

9 50