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ききょう /松月院
1945年(昭20) 6月25日
木下杢太郎が晩年、亡くなるまで描きつづけた『百花譜』(昭和18年3月~20年7月までの872枚の植物図譜)より
ぼくの詩などは
ほとんど盗作 君たちの
陽からの盗作
風からの盗作
土地からの盗作
海からの盗作である
*
なろうことなら
君もまたぼくを 所属不明の
ぼくの生命を
盗作して欲しいもの
ぼくらの肉体も心臓も私有はできない
ぼくらは共有物だもの!
中江俊夫『就航者たち』13より
だれが教えてくれるだろう?
ぼくが忘れてしまったことを。石たちの
眠り、飛ぶ鳥たちの
眠り、木々の
眠り、──暗闇に
それらの話し声がするのに?
ボブロフスキー/檜山哲彦訳「つねに名付けること」より
(『ドイツ名詩選』)
いったい
悪はどこにあるのだろう
病める花々
病むというのは「悪い」ということ
*
こころざし
という単語を見て
すごく吐いた
北村太郎『悪の花』(1981)より
見えない鳥が
わたしに見える。
見えない鳥に
わたしが見えるか。
*
見えないが
見える痛みと。
見えていて
見えない苦みと。
このあたりか
あのあたりか。
安水稔和「見えない鳥が」より
(『ことばの日々』)