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少年時代、転校を経験して苦い思い出があったぼくとしては、『ベスト・キッド』はかけがえのない映画であった。
ワックスを塗って拭き取る。
それが空手の型となっている。
笑わせるじゃないか?
いやいや、あの頃は決して笑えなかった。
早く大人になれたらな。
映画『ビッグ』と並んで背伸びをした。
寺山修司が、仏で気ままにポルノを撮ったら『上海異人娼館 チャイナ・ドール』という映画が完成した。
おいおい、異人とは″キンスキー″じゃないかい。
SMを主体とした、ワンカットが寺山ワールドとなっている。
ストーリーを追うのは野暮なのかも知れない。
瞬きはシャッターだ、眼に焼きつけろ。
ぼくにとって『君さえいれば/金枝玉葉』は特別な映画だ。
もう、メロメロにとろけて雲散させられた。
レスリー・チャンを取り巻くアニタ・ユンとカリーナ・ラウ。
香港映画ファンだったら、奇跡のキャストだとおわかりだろう。
ラブコメの最高峰だ。
あの頃の香港は何処へやら。
帰っておいでよね。
ターセム・シン監督の『ザ・セル』は、ただごとではなく教科書に載せるべき映画だ。
抽象的なイメージをひたすら羅列しているようでいて、アバンギャルドに逃げないところが偉い。
万人を楽しませてくれるサーカスのように、娯楽作として成立している。
難読漢字にふりがながしっかり振ってあるのだ。
テリー・ギリアムの『ブラザーズ・グリム』は、果たして単純な娯楽作品なのだろうか。
なるほど、グリム兄弟により収集され編纂された物語が何の因果か具現化され、勧善懲悪の大団円だ。
これまでのギリアム作品からすると毛色が違う。正直ぼくも、初見ではがっかりした。
だけど癖になる映画なのだ。
『エル・トポ』は観る人の求めるものを映し出す鏡となる、謂わば占いのような映画である。
全ての宗教を馬鹿にし、芸術方面に逃げているようで、実際のところ″神秘″を純粋に追求しているのだ。
映画は叙事詩であるべきだとの哲学。寺山修司が本作を日本で布教したのも頷ける。
奇人入門はこちらから。
北野武は『ソナチネ』で、お手玉のように″命″をもてあそぶ。
ショバ代をケチったおっさんをクレーンで海にちゃぷちゃぷしたり、スナックでひたすら芸のない水平射撃をやりあい、死を賭けたウィリアムテルごっこに興じる。
死にたくないと思えば思うほど死にたくなる、との死生観。
散る美学を嘲笑う。
『地獄の黙示録』は映画史に刻まれた名作だ。だがコッポラにとっては人生最大の悪夢であった。
「ゴッドファーザー」で得た財産をつぎ込み破産に至るのである。
台風でセットは全壊し、全く台詞も覚えていないくせに法外なギャラを要求するマーロン・ブランド。
ドアーズの″THE END″は悪い冗談だった。