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「こ、これ…!」
「Aさん、現実に戻ったら記憶も思い出すのかな。」 木の葉の音以外は何も聞こえなくて、ただ投げ出された僕たちの声が辺りに落ちていくだけだった。
「…………ええ、無事に行けましたよ。」 僕の質問に対して、黒助くんは口角を上げてそう答えた。
「これデス!モフモフ手がかり見つけマシタ!」 草木をかき分けてそこを見てみると、鹿…いや、化け物がひっそりと座り込んでいた。
「手がかり見つけマシタ!見てくだサイ!」 ベルさんは忙しなく腕を振って呼び続けている。 そんなに大声を出したら化け物すら寄ってきそうだ。
それは、人の腕位の大きな青色のホースだった。
「本当に真っ黒ですね…」 湖を眺めておずおずとAさんは言う。 「デスね!」 ベルさんはAさんの事をいたく気に入っているようで、Aさんの腕を組んでは離れない。
🌙ロスト…矢花折
「……………麒麟くん?」
もし一つだけ願いが叶うなら、鳳太とまた、一緒に生きたいな…そう何度も何度も何度も願う。