月日を屠る者達へ【完結】さんのイラストまとめ

口元は、笑顔のまんま……笑顔の筈だ。笑顔の形を作ったまま、俺は最大限の悪口もつけて言う。

「お前ら本当に……ハハッ、バーカ」

穏やかな笑顔で死んで行った彼女が、合間に見せた一瞬の悲しい顔は、何だったのだろう。
其れは、僕達に向けてのものかも知れないし、違うかも知れない。

「……シエル…………」

どちらにせよ、最期に見せたあの表情は、僕と一緒にスイーツを語り合った彼女の優しい笑顔其の物だった。

「ヴィスター？　何をして居るのですか……？　」

其れに、今日は何だかミスの多い日ですわ。
爆撃だなんて言うイレギュラーが起きたからかしら。きっとそう。きっと。
向こうだって、何度も私を攻撃しようとして剣が空を切る。お互い何だか下らぬミスの続く日なのですわ、きっと。

って、考えて着こうとした足が空を掻いた。

「ぁ、れ」

何だかヤケに風景がスローモーションに流れて行く。取り出した輸血パックが放り投げられてオレと一緒に落ちて来る。

全く、まっったく、ヴィスター殿が何に落ち込んでいて、何にそんなに悲しくなっているのか分かりませんでしたが……自分にはやるべき正義があるので、其の場は少し嘘を吐いて二人を置いて来たのであります。

「……？　分かったであります！！　」

「同じ……人間なのに……」

消え入る様な声で、苦しそうにヴィスターオニーサンは言いました。
オレちゃんは、ヴィスターオニーサンが普段オレちゃんにするみたいに、頭を撫でる事しか出来なかったです。