野本幸孝/Yukitaka Nomotoさんのプロフィール画像

野本幸孝/Yukitaka Nomotoさんのイラストまとめ


編集者・ライター。『デーファ劇映画大事典』(鳥影社)、筒井武文監督『映像の発見=松本俊夫の時代』パンフレット編集・校正など。 webマガジン「シネフィル」cinefil.tokyoにて映画の雑感「夜の葉」不定期連載中。 mail:[email protected]
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『NOPE/ノープ』IMAX版。愛すべき超大作。好悪はっきり分かれるだと思うけれど、小賢しさしか感じられなかったジョーダン・ピール監督作品では一番好き。しかし、改めてIMAXで『ジョーズ』を観たくなりますな。クイントの幻影を背負ったマイケル・ウィンコット。映画に賭けるその心意気や良し。

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レオス・カラックス『アネット』試写。ただただ唯一無二の圧倒的な映画体験。愚者や狂人としての道化の終焉。アダム・ドライバーは途方もない俳優だと改めて。

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単にサングラスをかけるかけないという問題なのではない。そこにある「真実」を直視するのか、そこから目を背けた「無関心」のまま現実に飼い慣らされて生きるのかということ。無関心を変えるには長い死闘が必要だ。そんな実感を強くしたのは、今この現実が紛れもない『ゼイリブ』の時代だからこそ。

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リドリー・スコット『最後の決闘裁判』シネマズ二子玉川。脚本、演出、俳優のすべてが非の打ち所のない傑作。闘争を追求してきた巨匠が、自らの原点といえる「最後の決闘」において、その核心にあるマチズモを抉り出し、完膚なきまでに粉砕してみせる。真に去勢され、声をかき消されたのは誰か。

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『リチャード・ジュエル』試写。ただただ素晴らしく、べらぼうに面白い。悲劇のなかに喜劇を、喜劇のなかに悲劇を、真実のなかに虚構を、虚構のなかに真実を見出すイーストウッドの余裕と自在。だがイメージに踊らされる人間の過誤と危さを映画=イメージで描いてしまえることの意味は、あくまで苦い。

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ドナルド・プレザンスとジョン・ハートの狂人父子に、キャサリン・ハリソンのイノセントで浮世離れした美少女ぶりと、それに共鳴するドノヴァンの音楽。ケーキを食い破って這い出た鼠たちのあいだを徘徊する少女の場面の現実と夢想が通底した詩的静謐こそが、ドゥミ作品の核心であるような気がする。

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『エセルとアーネスト ふたりの物語』試写。細部に至る記憶と想像力が示す愛情の深さ。普通や平凡という言葉で括れぬ厳粛な死の重み。レイモンド・ブリッグズの物語は、両親がこの世界に確かに存在していた証しだ。東日本大地震を「1人が死んだ事件が2万件あった」と評したビートたけしの言葉を思う。

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『さらば愛しきアウトロー』試写。ただただ素晴らしい。去りゆく後ろ姿に残るのは微笑だけでいい。監督デヴィッド・ロウリーとケイシー・アフレックの眼差しには、その微笑と同じ慎ましさと敬愛の念がこもっている。年老いた少年の輪郭を縁取るシシー・スペイセクとダニー・グローヴァーの陰影も格別。

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『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』試写。ゲシュタポに「ゲルニカ」はあなたの仕事かと問われたピカソはどう答えたか。この問答に芸術と政治の関係のすべてが集約されている。悪意と高慢、矜持とへつらいのキメラの如き混交。闇の美術史を案内するトニ・セルヴィッロの知性と憂愁が魅せる。

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『オアシス』@アップリンク吉祥寺。純愛ではない。むしろ、この世界に愛情というものがあるとすれば、それはどのようなものかを徹頭徹尾問うている。男=ジョンドゥに名前はない。彼に烙印を押し、純愛と名指す社会をこそ、イ・チャンドンは撃つ。詩人は名指さず、ただあなたのためにうたうだけだ。

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