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代わりに別のリボンを襟に通して、擦れる音も優しく、祈るように丁寧に結びました。蝶々の二枚の翅を引き、形を整え、氷の溶けるように微笑んで、
「こっちの方が似合う。赤が良い。」
そう言った、次の幕にはかき消すように。
#針と梔子
イグはクレアに殺された。クレアを愛して、自ら望んで。
潔いよね。彼には覚悟があったんだ。
シェデーヴルの愛が欲しいなら、そうでなくてはならない。
#針と梔子
彼は月明かりだけに照らされた自分の姿が最も美しく見えることを知っている。満月が梔子の葉の影を頬へはらりと落とす。
奥ゆかしい、星のような銀色に映るのは、首筋に蝶、夜明け前の氷柱を簪に、髪から引き抜き袷を紅へ。
#針と梔子
この邸はどこも寒くてたまらない。
朧月が灯る暗闇で、瞼の裏に幻想を描く。
五の指先は胡粉を撫でるよう、
ゆらゆらと吸い付いては離れる銀色の帳に包まれて眠るのだ。
熟すばかりの猫柳の蕾を食み、舌の上で転がして、雪化粧。
#針と梔子