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一瞬苦しそうな顔をしてから、僕の手をぎゅっと握り笑顔を向ける彼女。また思い出しちゃったのかな? 君の辛い記憶を消すことは出来ないけれど、昔の男が君を選ばなくて本当によかったと思ってるんだ。君を世界一愛しているからと思いながら何も知らないふりをして笑顔を返す。君が安心出来るように。
彼と楽しくデートしていたのに、すれ違ったグループに昔の想い人が見えた気がした。振り返るな。そう思ってももう遅い。長過ぎた片想いが、想い人を思い出すと苦しくなるやっかいな癖を作ってしまった。大丈夫。今は愛し愛してくれる彼がいる。彼に変な心配はかけたくない。