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「この胸の傷に口付けを」
鬱蒼と茂る木々の間に、しゃくり上げるような鯰尾の息と、いやに落ち着いた骨喰の息が、不協和音を奏でながら繰り返し吐き出される。
「俺たちは勝ったよ……、もう帰ろう、帰って手入れ部屋に行って、お風呂入って、ご飯食べよう……」
novel:村上志乃
illust:柔戸
「隣より近くに」
違うのだ、こんなに。それの何がこんなに悔しくて恥ずかしくて悲しいのかわからないまま、鯰尾はアイスを食べていた。違ってもいい。違っても仕方ない。でも、どうしたらもっと骨喰の近くに行けるのか。隣に居ても遠いような気がして。
novel:お菊
illust:西向き東
「息が罹った病から」
とんだ病に罹ってしまった。
目が合えば息と言葉が詰まった。名前を呼ばれれば、締め付けられた胸から何かが溢れ出てくるような感覚が。全身を打ち鳴らすような鼓動が騒がしいのに、心地良い。
これを病と言わずして、なんと言うのだろう。
novel:星野御空
illust:めれ