勇矢「イレギュライザー出現警報…あれだけの事があった後でも、懲りない輩は居るものですね…!」

アミクス〈…タイミングが良すぎる〉

勇矢「何者かの意図があると?」

アミクス〈確証はまだ無いけど、警戒するに越した事はないわ〉

勇矢「分かりました。アミクスさんはサポートをお願いします」

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ー月夜見商会 本社ビルー

アミクス〈(…まず一つ。三流悪党特有の行動パターンは、”相棒”のお陰で慣れてる。誰かに濡れ衣を着せるなんて、絶対にさせないわ)〉

勇矢「(今はここまで。外部協力者がいるとすれば、これ以上の深入りは禁物です)」

アミクス〈(アイ、サー。記録を保存するわ)〉

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勇矢「(…拍子抜けする程に分かりやすい…)」

アミクス〈(無能で姑息、その上迂闊ときたか。典型的過ぎて笑いも出て来ないわ)〉

〈(そして、”本当の悪人”に利用されやすい…とも言える。尻尾を見せたら、速やかに掴まえるべきね)〉

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勇矢「(一難去ってまた一難…ですか)」

アミクス〈(是非も無し…ね。出来る限り、私達でアイバ課長をフォローしましょう。それと…)〉

勇矢「(ええ。ミヤガ専務の動向に注意を払うべきですね)」

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アミクス〈(こいつ…ふざけてるの?)〉

勇矢「…有志連合に頼らざるを得ない今の状況自体が、望ましくないのです。発言にはお気を付け下さい、専務」

勇矢が目を開き、ミヤガに鋭い視線を向ける。

「いざという時は、有志のプレイヤーを矢面に立たせれば良い…と取られても否定は出来ませんよ?」

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勇矢「(…彼が万全であれば、確かに余裕なのでしょう…が)」

アミクス〈(今の彼では厳しいと言わざるを得ないわ。恐らく、この場を収める為の妥協案だと思うけれど…)〉

勇矢「…会長も、G5課の解体は視野に入れている…と言うのですか?」

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勇矢「(G5課の解体…動機は恐れか、妬みか、或いは…)」

アミクス〈(裏で繋がっている何者かの意図か)〉

勇矢「専務の発言とはいえ、その提案は承服出来ません。狩谷くん達を始めとする”例外中の例外”達を受け容れようとしている時です」

「G5課の解体は、その可能性を切り捨てる事になります」

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勇矢「…今回の成功は、G5課、保安部、有志連合の結束の賜物であると申し上げた筈」

「また、今作戦の指揮官は私です。現場の最高責任者である私が、専務のお叱りを受けるべきでしょう」

勇矢が平手で胸ポケットを叩く。

アミクス〈(…記録開始。無能な癖に姑息な人間の声…聞くに堪えないけど)〉

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有理沙「付き添いだよ、付き添い」

「デヴァイザーをお釈迦にする程の無謀な戦いをして、電脳体の君でさえろくに身体を動かせない状態なんだぞ?」

アミクス〈貴方の実体にどれ程の悪影響が出ているかは、私達にも予想が付かない〉

〈実体の貴方は、一人で動けなくなっているかも知れないからね〉

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有理沙「よーし、ラウィ君の方には…今回は背景が特殊だし、マクスウェル社傘下の医療施設の連絡先を送って…」

「で、イレギュライズメモリとバトライズメモリの同時使用、更にリミッター解除…となると、ローンデヴァイザーもお釈迦だなー?」

アミクス〈…今回ばかりは、ドクターに同情するわ〉

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静治「この七面倒くさい状況で、無事にやるべき事をやれたんだ。十分過ぎるでしょ」

勇矢「大鳥警部の言う通りです」

アミクス〈クラック付近の状況は?〉

勇矢「観測班の報告によると、クラックは完全に修復されたそうです。もうじき、エリアの再構築が始まるでしょう」

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アミクス〈立って、走りなさい!貴方は”まだ”間に合うんだから!!〉

一歩踏み出した足が、僅かに竦む。しかし、それも一瞬。

───走り出す。

望「…アミクス!全部が終わったら…っ、僕とも、”友達”になってくれないかな…!?」

アミクス〈なれるわよ…優奈のフォースに入るんでしょ?〉

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第三陣の足並みが僅かに乱れ、望とアミクスの乗る輸送車が突出する形になる。

望「ゴウさん…?アミクス、皆は!?」

アミクス〈第三陣の足並みが乱れているわ。今、ジョウガンとビャクチでフォローしてるけど…〉

〈見付けた!〉

望の乗る輸送車に、ベクター達の攻撃が集中する。

(1/3)

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有理沙「あい分かった。それでは我々は第二次救出作戦に備えよう」

優奈「白銀さん、ラウィさん、よろしくお願いします」

アミクス〈お疲れ様。救出作戦の方もよろしくね〉

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有理沙「イエルナーグ女史は、どうかお気になさらず。ロキ君の事は勇矢にも頼んでおくよ。私は救出部隊のモニタリングで手が離せないからね」

優奈「ロキちゃん、無理はしないでね?」

アミクス〈後は、最悪の事態が起こらない様に全力を尽くしましょう〉

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有理沙「幸い、リソースを収集出来る範囲はそこまで広くない。巨大な機体を作るか、大量生産でもしなければ大丈夫だとは思うが…」

アミクス〈彼女のポテンシャルは未知数だし、推測の域を出ない…というのが正直な所よ〉

〈取り敢えず、能力の乱用は厳禁…という事だけは忘れないで〉

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有理沙「初めましてマスター・イエルナーグ。では、お邪魔しまーす」

優奈「失礼します、イエルナーグさん」

アミクス〈さて…それでは早速説明して貰いましょうか。”あの事”…というのは?〉

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有理沙「伊烏有理沙だ。白銀君の担当医をしている」

優奈「えっと…水凪優奈です」

アミクス〈アミクス・フィーリウス。二人と同じく、彼等の依頼を受けた協力者よ〉

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アミクス〈アイ・サー。これより停車する〉

アミクスの運転によって、綺麗に駐車スペースへと納まるトレーラー。

有理沙「さーて、ここの元締めはどういう人かなー?」

優奈「何も起きないと良いですけど…」

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有理沙「言い方は悪いかも知れないが、”ならず者の寄り合い”って事か…BNDDオンラインも広いなぁ」

アミクス〈そうね…ここといい、〈ディープ・サーバー〉といい…〉

優奈「…そんな中で出会った二人も、訳ありなんだよね?」

アミクス〈優奈、詮索は程々にしておきなさい〉

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