有理沙「(話は聞かせてもらった!)」

優奈「ふわあぁっ!?」

アミクス〈話の内容的に、有理沙博士も十中八九呼び出す事になるだろうと思って。通信回線を繋いでおいたのよ〉

勇矢「あの、義姉さん…?今日は望くんと勇奈さんの検査をしていたのでは?」

有理沙「(うむ!二人とも異常無しだ!)」

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優奈「…どうなの?アミクス」

アミクス〈ミロク因子についての知識は、そこまで理解が及んでいないのだけど〉

〈イレギュライザー…厳密には、”オリジン”のそれに近い能力の発現過程を経ていると推測する〉

勇矢「…これは、専門家の意見も仰ぐべきでしょうね。現状では、推測の域を出ません」

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優奈「吸血鬼…!?」

勇矢「(大鳥警部が感じていた、千菊さんが持つ強さへの違和感…これが、その正体ですか)」

アミクス〈成る程、確かにオカルトとしか言いようが無いわね〉

〈ところで…「羅刹天事件」で羅刹天が使用した”黒炎”。あれは千菊さんの力だとゼクロス先生は言っていたけど、本当?〉

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優奈「…っ!?」

有り得ない光景に、優奈達が息を呑む。
当然である。千菊の手に大きく拡がった筈の切創が、痕も残さず消え去っていたのだから。

勇矢「傷が、一瞬で塞がった…!?手の甲全体に拡がる傷だったはずですが…」

アミクス「イレギュライザーの力…ではないわね。身体的要因によるものか」

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優奈「うーん…服…は、気に入った物があれば、ロキちゃんならコピーしちゃうし」

勇矢「そもそも、彼女の趣味趣向がよく分からないのですが」

アミクス〈確かに難しいわね…。新しい機体とか、装備プランとか?〉

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優奈「紅葉さん、藍理さんと一緒に、この世界とは別の”平行世界”からやってきた…というのは、以前教えて頂きました」

「アミクス…厳密には、彼女のマスターデータとも面識があったって」

アミクス〈でも、フィーリウスは千菊さんと雛菊さんを知らなかった。ゼクロスさんとは、どういう関係なの?〉

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アミクス〈内緒。優奈達へのプレゼントも兼ねているから、今は話せないの〉

〈ただ…誰もが驚くものになる事だけは、私が保証するわ〉

優奈「えー?フォースリーダーには教えて欲しいな~?」

アミクス〈ナ・イ・ショ♪〉

勇矢「アミクスさんの言う通りにはなると思いますので、待っていて下さい」

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アミクス〈先日のクランバトルの事もあるし、武装強化のプランは幾らあっても損は無いわね〉

〈私達も、正式にフォースネストを設立しようと動いてる所だし〉

優奈「お待たせしました。お茶漬けの梅干しトッピングと緑茶になります」

慣れた所作で、白銀の前にお茶漬けと緑茶を置く優奈。

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優奈「大丈夫です。梅干しトッピング、お願いします!」

勇矢「かしこまりました」

勇矢と優奈が店内を動き回る中、机に備え付けられたタブレット端末にアミクスの姿が映し出される。

アミクス〈こんにちは、白銀さん。それは…新しい装備プランかしら?〉

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アミクス〈勇矢さん。この現状を憂いている暇があるのなら、優奈達の負担を減らす方法を考えて頂戴〉

勇矢「…耳に痛いご指摘、ありがとうございます」

…そうだ。戦いの中では彼女達に劣っても、自分に出来る事は他にある。

無力である事を、”何もしない事の言い訳”にする様な無様は見せたくない。

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優奈「殆ど同時だったみたいだし、同着でも」

勇奈&望「ダメ(です)!」

優奈「うひゃあっ!?うぅ…ごめんなさい…。アミクス、どうかな?」

アミクス〈ゴール前カメラの画像を分析してる、少し待って〉

〈……画像判定終わり。0.1秒差で、勇奈とマーシーの方が速かったわね〉

勇奈「…!」

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フォトンブラスターキャノンの照射を終え、〈モノクローム・リライター〉が機体各部から放熱する。

勇奈「(これで、デカブツはK.Oだ)」

アミクス〈勇矢さんと保安部隊の人達も、敵部隊を押し返しているみたいね。アナスタシア女史も無事よ〉

優奈「あ…望くんは!?」

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望「アミクス、ケンブ斬のデータをこっちにくれ!」

アミクス〈…そういう事か!クリスタ!〉

クリスタ〈OK、兄貴!アミクス姉!〉

〈データロード!機体損傷箇所に電脳構造体精製、再構築開始!〉

〈オーグメンター…Unlocked…!〉

望「…電脳構造体定着。自己修復・自己改造完了」

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優奈「ゴウ、さん…!?」

アミクス〈優奈、前ッ!〉

目の前で滝壺に落下したゴウの姿を目の当たりにし、一瞬動きが止まる優奈。

アミクスの操作で、辛うじてジャバウォックの攻撃を防ぐ。

優奈「───やったな…?私の目の前で…”また”…ッ!!」

優奈のイレギュライズ反応が、急速に増大していく。

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優奈「ゴウさん!?」

アミクス〈チャフスモーク散布!〉

アミクスの操作で、ビャクチがマルチランチャーを発射。
〈サルベーション〉の視界をチャフスモークで遮断し、ゴウの援護に向かう。

優奈「これ以上は…!」

勇奈「優奈!あたしの能力リソース、全部使え!」

〈シンクロニティチェイン!〉

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クリスタ〈登攀速度はこっちが上…だったら、後は!〉

マーシー〈コースの読み合いで、一手先を行きます…!〉

岩肌を登りながら、時に交差し、時に位置を逆転し、互いに譲らない戦いを展開する勇奈達と望達。

優奈「わぁ…大分離されちゃったね」

アミクス〈焦る必要は無いわ。確実に後をつけて〉

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望「山登り、川下り、平原か…僕達はメイレスを使うから、川下りが一番の難関だな」

クリスタ〈一応、足場に出来る岩はあるかな?でも、勇奈姉の森ビャクチ以外は防水加工しないと駄目だね〉

優奈「私達はレースに専念しよう。周辺監視はアミクス達にお願いしてもいい?」

アミクス〈ええ、任せて〉

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アミクス〈でも、あの時まで使ってたメイレス各機は市販品〉

〈あの事件以来、BNDDオンライン運営委員会は保安部にメイレスシリーズを導入し始めている。調達は難しくないわよね、勇矢さん?〉

勇矢「そうですね。では、望くんはケンブを使うと良いでしょう」

望「…ありがとうございます!」

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信矢「下見に行った父さんが言うには、「電脳空間で泥に足を取られるとは思わなかった」…らしいぜ?」

勇矢「(どこから暇な時間を捻出しているのやら…。大鳥警部も苦労が絶えないでしょうね)」

アミクス〈なるほど…コースの情報を纏める限りだと、汎用機で完走するのは厳しいかも知れないわね〉

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有理沙「さて…そろそろお開きかな?やる事は山積みだが、まずはデヴァイザーの試作型を作ってしまおうか」

アミクス〈データはプルートにも転送しておいたわ。今は検証作業中ね〉

有理沙「仕事が早~い。では、プロフェッサーとタカミネ主任も手伝ってくれ。今回は2つ作らないとだからね」

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