ーBNDDオンライン エントランスエリアー

勇矢「優奈ちゃん、イレギュライザー犯罪の通報がありました。現在、イレギュライザーの反応は二つ。地上フィールド平原エリアで交戦中」

アミクス「イレギュライザーの同士討ち…?」

優奈「…望君だ!アミクス、急いで向かうよ!」

アミクス「了解!」

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ライト〈待テ、何カ居ル…!〉

突然、ライトがアルスアースリィアーマーを纏う。

あんなに警戒心を剥き出しにした様子のライトは、今まで見た事が無い。

アミクス〈…こちらのレーダーには、何の反応も無いわ〉

優奈「アミクス、もう一度出るよ!」

アミクス〈分かったわ、緊急機動シーケンス!〉

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アミクス〈クエストクリアね。お疲れ様、優奈〉

優奈「お疲れ様、アミクス。それじゃあ、戻ろっか」

クエストクリアを確認して、私とアミクスは輸送車に戻る。

優奈「ただいま、ライト」

ライト「優奈、アミクス、遅カッタナ?」

優奈「あはは…初めてのAMAIMが楽しくって、つい遊んじゃった」

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アミクス〈優奈、そろそろ目的地だけど……大丈夫?〉

優奈「え…?あ、ごめんねアミクス。少し考え事してて」

ライト「…勇奈ハ、必ズ何処カニ居ル」

優奈「…うん、分かってる。望君も、声を聞いたって言ってたもんね」

ーーーそう。勇奈の声を聞いたのは私だけじゃない。ライトと、望君もだ。

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信矢「お疲れさんだったな、ゴウ君」

信矢もゴウの隣に腰を降ろす。

「これで、ちっとはクリスマスプレゼントを喜ぶ子供達が増えるかね…」

アミクス〈そうあって欲しいものね。さてと、私もいい加減に優奈達の所へ戻るわ。お疲れ様、課長〉

アミクスがBNDDオンラインからログアウトする。

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アミクス〈問題無いわ、ありがとう〉

ジョウガンを特殊装甲運搬車に格納し、電脳体になって機体から降りる。

〈さてと、あのイレギュライザーを取り調べしないとね〉

勇矢「保安局の応援も、そろそろ来るでしょう。件の転売屋グループとも関係がある様ですし、お話する事は沢山ありますね?」

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一方、アミクスは勇矢から連絡を受けていた。

アミクス〈…どうしたの、勇矢さん〉

勇矢「(アミクスさん。貴女達がいるデパートの近辺からBNDDオンラインにログイン、暴れている者がいると通報がありました)」

アミクス〈……なんて質の悪い。分かった、対応する〉

(お待たせしました。どうぞ)

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望「…ん?今の声は……」

後ろから聞こえた声に、望が振り向く。見ると、人混みを必死にすり抜けてくる少女が一人。

優奈「待って!望…君!」

ライト「優奈、コノ人混ミデハ…!」
アミクス〈一先ず人混みから離れて、優奈!〉

望「…優奈、さん?」

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優奈「え…?」

望「(良かった…最後の一つをゲット出来て。姉さん、このガンプラをずっと欲しがってたもんな)」

優奈に気付いていないのか、足早にその場を離れていく望。

優奈「ま、待って!」

望を追って走り出す優奈。

ライト「優奈…!」
アミクス〈ちょっと優奈!まだ混雑してるから!〉

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騒ぎが落ち着いたのを確認して、売り場に視線を巡らせる優奈。

しばらくすると、その表情が陰る。

優奈「えっと…ありませんでした…」

アミクス〈優奈が探してた物、転売屋グループは持ってなかった…あ、あの人が買ったので最後みたいね〉

レジを見ると、安堵の表情を浮かべる少年が一人。

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優奈「こんなに混雑してるなんて…これじゃ、入っていくのも難しいですね…」

ライト「ナラ、私ガ先行スル」

アミクス〈ライト、私と視覚情報データをリンクして。転売屋グループと思しき者を見付けたら、私が教える〉

ライト「頼ム」

優奈の肩から離れて、ライトが人混みの中に向かう。

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優奈「それじゃ、行きましょう」

アミクス〈(リストの店名を一瞬で記憶)…覚えた。急ぎましょう、皆〉

ライト「分カッタ。行クゾ、トール」

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アミクス〈こんにちは、トール〉

ライト「……(小さく頷く)」

優奈「この辺り一帯は駄目かぁ…」

「…ゴウさん。その調査、私達も協力していいですか?もしかしたら、まだ未然に被害を防げる店もあるかもしれませんし」

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優奈「あ、ゴウさん。こんにちは」

ライト「玩具屋ノ、リスト…?」

アミクス〈もしかして、転売屋についての調査を?〉

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優奈「うーん…何処の店も、ガンプラが全然無いね。これじゃ、〈チェイサー〉の修復作業が出来ないな……」

ライト「…ガンプラ、品薄…」

アミクス〈最近、転売目的のガンプラ買い占めが横行しているらしいわ。そんな心無い暇人も居るのね〉 https://t.co/51T9Xzzayy

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アミクス〈…ここのAIは、随分と積極的に動くのね?〉

優奈「わぁ…ゴウさんも、ナビの子が居たんですね?」

ライト「AI…何カ違ウ、AI…?」

アミクス「まぁ…AI同士に変わりは無いわ。よろしくね、トール」

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アミクス「ありがとう、はこちらの台詞ね」

刀を血払いするように振るい、緊張を解く。

アミクス「貴方がアイバ・ゴウね?優奈達から聞いているわ。貴方が護ってくれたお陰で、機体の立ち上げが間に合った」

優奈「彼女はアミクスといいます。私のスマートナビのAIで、私達の友達です」

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信矢「妙な拘りだなぁ…まぁ良いけどな」

アミクス「よろしく、店長」

優奈「一緒に頑張ろうね、アミクス」

アミクス「ええ。…まずは、この世界で何が出来るのか試してみましょうか。早速付き合って、優奈」

優奈「もちろん」

ライト「(…平行世界ノAI。彼女ノ能力ガアレバ、或イハ……)」

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信矢「まぁ、発売されたら調達するか。運搬用ビークルもあるみたいだし、それも含めてな」

アミクス「お願いするわ、スタ…いえ、信矢」

信矢「向こうの俺と混ざるなら、マスターとでも呼んでくれ」

アミクス「それだけは絶対に嫌」

信矢「…何で?」

アミクス「何でもよ。…そうね…なら店長で」

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