風薫る窓辺に立ちて
 見る世間
  猫も杓子もマスクしている

11 50

人は騒ぎコロナは誇り風香り
   何が何やら地球は回る

10 48

黒潮が見えると言われ
 岬来て
  野良に遭いたる春の午後かな

6 51

夕日なお赤き遅日の缶ビール

7 40

コロナなどどこ吹く風の春の雲

6 39

春時雨過ぎたる里に着きにけり

6 49

卒業の写真の罅の戻るなし

いや戻らないのは写真の罅(割れ)だけではありません
過去が戻らないのです・・

5 46

タンポポに空き地忘るるためしなし

9 59

引田では日照雨も光るひな祭り

10 47

朝日差して春の塵どもひと踊り

8 56

ウィルスなどものかは梅の香ぞ清し

9 50

トーストに蜂蜜を塗る朝温し

15 60

梵鐘や海苔のおにぎり食うてをり

マンションの向かいのお寺は
昔は暮れ六つ明け六つ鐘を突いていましたが
今は明け六つだけになりました
それからなにか行事があるときには
日中にも突きます

6 66