見上げれば銀河ごと星降るような湖畔の城の眩い一夜


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振り向けば突然のキス忘れかけたときめき溢れ木漏れ日の中


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花に酔い眩暈混じりの宵の口 伏し目睫毛の影に色請う


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虹を浴び生まれるという妖精王 沐浴の間を只人は描く

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粉雪と白い花びらはたはたと花嫁の傘優しく叩く


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和装クリスマスデェト
待ち合わせに心躍る雪のなか早めに着いて頬鼻赤く


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霧雨の降る朝伏し目がちな君 朝顔に似た笑顔は何処


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この石とわたくしの命捧げて古竜に助力を願いましょう
(姫は、いらん、と突き返されるけれど、なんやかやあって古竜が姫に惚れて、国は救われるパターン)


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儚げな少年ははや領主となり憂いを宿し街を見守る


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あの人はもう忘れたかしら月を作る定めの長き生に倦み

望月を作る定めの長き生倦み果ててなお忘れぬ人よ



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忘れものがあると言った彼女の背中見送った夕日のあの日

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青い目の軍人さんに恋をした若かりし日の甘い想い出

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回る回るスカートを翻して銀河も回る真理に近づく

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忘れたい記憶を少し少しずつ溶かすとろける水面に揺蕩う

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あなたの残したハンカチの残り香それだけが私を熱くする

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遥々と叡智を求め辿り着き書架の街にてそはなにを得る?

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千年に一度の御幸の時来たり天人のおわす宙ゆく船よ

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月の道水面に光り星屑が溢れて魚たちを集める

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ほどけてはふわり広がる梅の香の儚き精の瞬きひとつ

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真夜中に宝石が降る街ではね、みんな幸せなんだって、ほんと?

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