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「プラスチックの原料って石油なんですよ。意外にこれ知られてないんですけど」という環境大臣の発言が話題になっているようですが、世の中には石油が原料ではないプラスチックもあって、このポリ乳酸はその例。糖類の発酵によってできる乳酸を、長くつなぐことで作られます。

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C=O二重結合を持った化合物をケトンと呼びますが、そのケイ素版Si=Oはできるのか?この化合物はシリコン(silicon)とケトンの語尾-oneをつなげてシリコーン(silicone)と命名されましたが、実はSi=O結合は通常存在せず、SiとOが交互に長くつながった形になってしまいます。

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にょろにょろしたのが出てきました。アミノ酸がいくつか連結してできた「ペプチド」の一種、アンジオテンシンⅡ(AⅡ)です。この分子が血管の受容体に結びつくと、それに反応して血圧が上がる仕組みです。血圧に関わるホルモンはいくつかありますが、AⅡは最も重要な存在。

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今日はポリビニルアルコール(PVA)。長い炭素鎖に、一つおきにOH基が生えた構造です。OHがあるので水に溶けやすく、液体のりや洗濯のり、錠剤の製造などに広く用いられます。最近では、白血病の治療に用いられる造血幹細胞の培養に有用と判明するなど、用途を広げています。

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唐辛子の辛味成分カプサイシン。唐辛子は中南米原産で、世界へ広がったのは大航海時代以降のことです。しかしその刺激的な味わいは各国で熱狂的に受け入れられ、世界の食文化を塗り替えて歴史にも大きな影響を与えました。しかし、なぜこうも辛いものが好まれるのでしょうか。

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昨日、この世に一番多い有機化合物はセルロースだと書きましたが、2番めはこのキチンです。セルロースのOHが一ヶ所、NHCOCH₃(一部はNH₂)に変わった構造です。自然界には約1000億トン存在するといわれます。あまり聞いたことのないキチンが、どこにそんなにあるのでしょうか。

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今日はセルロース。昨日のアミロースと同様、グルコースがたくさんつながった構造ですが、つながり方が違っているため、こちらは全体として直線状です。このためヨウ素デンプン反応は起きません。長い鎖が水素結合で結びついて束になり、絡み合うので非常に丈夫な繊維になります。

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アミロース(デンプン)です。最も基本的な糖であるグルコース(ブドウ糖)が長くつながり、らせん状になっています。植物がエネルギーを貯蔵するため、よい栄養源であるグルコースをたくさん連結させ、保存しやすくしたものです。米・麦・芋など、我々にとっても貴重な栄養源です。

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本日はカリックスアレーン。ベンゼン環にOHがついたフェノールという単位が、炭素一つを介して環につながっています。カリックスはギリシャ語で「杯」を意味し、その名の通りカップのような構造です。昨日のクラウンエーテル同様、他の化合物の研究中に偶然に合成されました。

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