//=time() ?>
屋内型の地獄寺では、立体像の他に壁画を駆使して空間の地獄リアリティを高めることができる。ワット・サンティニコムもそうで、空間の隅々まで地獄絵が描かれていた。地獄絵と立体像がうまく調和している場面も多くあり、これもまたひとつの見どころである。#タイの地獄寺
地獄釜では男女の亡者が煮られている。しかし彼らはまるで混浴を満喫しているかのようにはしゃいでいて、とても苦しんでいるようには見えない。そして地獄釜の奥には串刺しの亡者や影だけの亡者がいる。影だけの亡者の一人はよく見ると耳が尖っていた。#タイの地獄寺
下の絵には責め苦を与える獄卒、地獄釜で煮られる亡者、地獄釜の液体を飲まされる亡者などごく基本的な表現がみられる。しかしよくよく見てみると、獄卒一人一人の表情がみな違ってリアリティがあったり、脇毛を描いていたり、口を縫い合わせた縫い目を描きこんでいたりとかなり細かい。#タイの地獄寺
第四地獄ロールワナロックと第五地獄マハーロールワナロック。大きなハスの花に焼かれ喰われるという、仏教ならではの責め苦である。特に第五地獄のハスの花は色彩がとても美しかった。#タイの地獄寺
まずは第一地獄。タイ語ではサンヤシーワナロックといい、この地獄には殺生をした者が堕ちるといわれている。業火に焼かれている亡者が骨々しくあらわされていた。#タイの地獄寺
このお堂は鍵が閉まっていたが、僧侶に研究の旨を伝えると快く開けてくれた。お堂の中にはまだ色彩の残る壁画が全面に残っており、本尊と反対側の壁には少しながら地獄絵が描かれていた。無頭人の原型ともいえる、頭部が下腹部に移動した亡者も見ることができた。#タイの地獄寺
【地獄と餓鬼】仏教思想では死後6つの行き先が説かれている。すなわち天界・人界・阿修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界であり、この内後者3つが悪道とされる。地獄寺は地獄という名から地獄界を表現していると思われることが多いが、実は亡者の多くは餓鬼である。
【棘の木】地獄釜と並ぶ地獄の代表的モチーフのひとつ。日本では刀葉林の名で知られる。国を問わず古くから描かれてきたモチーフであり、タイの地獄寺ではほとんどの寺院が棘の木を造形している。棘の木に登らされているのは邪婬の罪、ここでは浮気の罪を犯した亡者たちである。
【所在地】壁画や立体像など表現方法は様々であるが、地獄表現を有している寺院は現在確認できる限り68ヶ所に及ぶ。調査済寺院は46ヶ所なのでまだまだ先は長い。また地獄寺は地域に偏ることなく全国的に存在するが、どれも農村部にあることが多く、公共交通機関のみではたどり着けない場合もある。