「あなた……。変わった星巡りなのね」

彼女のアメジストの様な瞳に一筋の光が流れた。
(今のは、星…?)

「私はヨナ。あなたとはもう1度会う気がするわ」
彼女がそう言うと、猫が一声鳴いた。

気づくと私は、路地裏で立っていた。
──猫は、もう居なかった。

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〜第4話 深海の約束〜
どこまでも続く海の空。

「生命の始まりの場所。沢山の感情や、思いが揺蕩っているの。特にココはね」

「ルフィリカは、陸には行きたいと思わない?」
「よかったら、私の家にも遊びに来てほしいな」

彼女は戸惑っているようだった。

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「ココは救いを求めて来たもの達の安息の地。海域を荒らすものは誰であろうと容赦致しません」

彼女が杖を一振りすると、たちまち渦潮が現れる。

「待ってください!私は……」
弁解の猶予もなく海流に飲み込まれた。

薄れる意識の中、白い竜が私に巻きついた。

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