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母とともに祖母を看取る。美人で物知り、働きながらも完璧に家事育児をこなしたらしい。母には内緒で何度も悩みを相談した。「まずやってみよう」。前向きでシンプルな祖母の言葉に救われた。嗚咽する母の隣で悟られないよう涙を拭う。不器用で他責的な悲観論者。祖母を失い、毒親からの逃げ場がない。
母が死んだ。大往生だ。「お祖母ちゃん、綺麗な顔……」。死顔を見つめ、娘が呟く。凛とした母だった。学もあり、家事は万能、定年間際は父より多く稼いでいた。努力を何より重んじて、頑張ろう、が口癖だった。私と違い、天賦の素養があったのだ。涙が溢れる。私は今日、ようやく毒親から解放された。
曾祖母を毎週見舞う。同じ階の病室で、少しあいた扉の向こうに少女が見えた。一瞬目があい可愛い笑顔で会釈される。「楽しい人生だった。あなたも悔いなく生きなさい」。半年後、曾祖母は大往生した。そうだね、僕も勇気を奮ってみる。告白しようと部屋を覗く。看護師が、少女のベッドを片づけている。