バルクキャリーでワダツミ駅へ続く道を進むAグループ。車内ではヘレナが料理を振る舞っている。美味しいと評判だが一方で毒入りではないかと疑う声もあり、ハルカが諭していた。

「息子がお世話になってるんですもの。母親としては当然よね!」

「母さん、少し待ってください!」

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アルフレッドを回収、撤退する参加者達。バルクキャリーはガタついた道を激しくその車体を揺らしながら駆け抜けていく。

「パパ!!」

「お、おぉ…アル!!」

親子の再会を横目で見つつ、ショルメはハンドガンの弾倉を交換する。

「ま、こっちは一段落…残りは」

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ExtraChapter.7

『親子』

ラットキングとの戦闘後、ハルカの前に現れたのは数刻前にシルクに敗れ、消滅したかに見えたヘレナだった…。

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ラビィを見る。周囲を確認しているのか、注意の方向を幅広く取っている。そんな様子だ。

そして、歌声は徐々に近付いてくる。美しいソプラノの声。ハルカがその存在を知覚した時にはその声の主は灰色の空から舞い降りていた。

「ラットキングは前兆…彼女が降りてくるとは…!」

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「何ッ!?」

アシュレイの斬撃がデミアンの右腕を切り飛ばした。

デミアンの注意が失った右腕に逸れたところへユキコの放った超硬質のヴォイド弾がブラッドの攻撃でダメージを負っていた「風天」を見事に砕く。

「ガーレン!今だ!」

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「お前ら結構いるのな」

「何…?」

デミアンはルーカスらに視線を向け、倒れたキリングスの脚を掴むとその大顎で捕食する。

「まぁ、あの姉ちゃんがお前は殺さず連れてこいって言うからよォ…来てやったぜ」

「ヘレナの事か。どこまでもしつこい…!」

「お前以外は皆殺しだ」

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仕掛けたキリングスを切払うガーレンの剣の横をルーカスはすり抜け、キリングスに攻撃をしかける。

「確実に個体を潰せ!」

スピアでガーレンにまとわりつく1体の鳩尾から頭部までアッパーの要領で抉り取る。

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橋の下には海。その水面が揺らめき、間をおいて大きな水柱が上がる。

水中から飛び上がったのは巨大な人魚の如き異形。橋を飛び越えるように宙を舞う。

「奴は…ケルビム…!」

フライスキン達は海中のケルビム…、スライサーヴォイドを警戒していたというわけである。

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ハルカは他の参加者と交代で見回りにあたる。ヴォイドは暫くは来ないといったことをセイモンは言っていた。

しかし、油断は出来ない。

「Phaooo…」

「ハンニバル、一緒に来てくれるのかい?」

この数時間でマンモスのハンニバルはすっかり参加者達に馴れていた。

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Bグループの面々を乗せたバルクキャリーはメインストリートを進む。一度、錆の王のサンプルを取得した公園の付近まで戻り、メインストリートへ乗り込んだのだ。

「随分とやりあった跡があるな…」

「Cグループの人達はもうここを通ったらしいですねぇ!」

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セイモンはハルカの肩を叩く。

「キュレーター846という男がおる。お前さん達のバックアップでいたはずだ。彼は私の無二の友。彼を呼ぼう」

キュレーター846はベルバル隊のメンバー。彼らには1度世話になっている。

「はぁ…」

「任せろ、私も手伝う」

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半ば暴走したようなヘラルドとブラッドによる共撃が【深そうな者】を捉える。纏った布は裂け、筋組織が蠢くのが覗く。

呻き声を上げながらも抵抗の意思を見せる。


https://t.co/epEcdNEuTV

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突然の暴風が参加者を襲う。

「うわっ!?」

体勢を崩し、転倒した列車に叩きつけられるハルカ。他の参加者も手近な物に捕まり、風に耐えていた。ペオーニエの中には吹き飛ばされた衝撃で潰された個体もいる。

「何がッ···!?」

列車の隙間を縫うように飛ぶ影は異形の天使か。

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重い一撃を避け、武器を切り替えながらヘレナに反撃を行うルーカス。

「スピアにガトリング、絶対に両手は塞がない。堅実なのね、変わってない」

「変わったのはお前だ!」

「そうね…、でもルークならこんな私でも好きになってくれるでしょう?」

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バルクキャリーは列車車庫が見えた所で停車。ハルカは目を開ける。

「行こう」

参加者達と共にハルカは降車。マーカーの反応があったとされる場所へ進む。列車の墓場、あるいは迷宮。

ハルカは警戒しながら先導するように進む。

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「マズい!ラフメイカーの奴が」

ルーカスはバルクキャリーのラックからライフルを取り出し、【錆の王】へ照準を合わせる。

だが、金属が軋むような音を立てて立ち上がった【錆の王】はラフメイカーを追うツィマーマンへ螺旋状の凶槍を突き立てた。

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倒れていたのは、ソーンであった。許容以上のダメージを受けたヴォイドタッチシステムは変身を解除してしまっている。

「なんだよ…、想像以上にしっかりセーフティがかけられているみてぇだな」

「火天」を拾い上げ、ソーンにその刃を向ける。

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「おい、ふざけるなよ」

ルーカスはヘルトのマスクを掴み引き寄せた。

「イタスギィ!!」

「こっちは人命がかかっている。はやく言え、対処法があるんだろ」

ヘルトは、ギブアップのポーズを取りながら言った。

「アツゥく、燃やすんですよ。焼いちまうんです」

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千切れた肉片から鏡写しのようにツィマーマンが増えた。何と合計3体。

「あっ、そうだ(唐突)。消すと増えるゾ〜」

ヘルトの言葉に参加者から怒りを含んだ視線が向けられる。
https://t.co/Y1eINihwCN

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火球を捌ききったソーンを見て、トーマスは更に口角を上げた。

「やはりいい腕だ。そして大方、性能の特徴は掴んだ。俺達とはそもそも違うコンセプトの兵器って訳かい」

「火天」を構え直す。

「楽しくなってきた…!もっとだ、もっと見せてくれ!」

https://t.co/NHgoBBzXh3

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