剣ジル
「……どうやら、ここまでのようです」
"憤怒"
「ジル……」
剣ジル
「はは、その嘆きは私に対してか、それとも彼に対するものか」
剣ジル
「まあ、どちらも切り離せない私自身なのですが」 

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嘆くだけの藤乃はもういない
嫌だと喚くだけの藤乃はもういないのです

だから私は"怠惰"を戴く
嘆きから立ち上がる彼女を妨げる
悲しみだけを与え続けるものを倒すため
……私は叫んだ 

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藤乃
「ーーだからこそ私は誰かを助けるんです」
藤乃
「罪を抱えているからこそ生きている誰かの助けになりたいんです
 その結果的に誰かを殺める事になるとしても」 

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藤乃
「……ええ、あなたは救い難い存在です
 痛みを訴えるならば、誰かを殺しちゃいけなかったんです」
藤乃
「それは私も同じです。殺した罪はずっと消えません
 死んだ後でも、それを抱え続けなければならないんです」 

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凶れ、凶れ、
赤と緑の二重螺旋
呪いのような言葉の中に、喜びを織り交ぜて
私は何度でも唱えよう
ソレが砕け散るまで。何度でも、何度でも 

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藤乃
「くぁああああああああああっ!」

痛い、いたい、イタい
傷の無い腹部を起点とした
失神もままならない程に消えない激しい痛み

痛みを以って、という命令は
私に痛みを与え、それを揮えと言う事だ 

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エルト
「悲嘆と厭気で造られし巨なる怠惰……
『ソレ』をあなたの痛みを以って螺凶げろ!」
藤乃
「ーーはい!」 

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エルト
「ーーずっと浸ったまま立ち尽くしちゃいけないんです!
 痛みを受け入れて、前に進まなくちゃいけないんです!」
エルト
「さもなければそれは理不尽となり、
 胸にあった大切な人の姿を見失う事になる……」
エルト
「私は、そんな風になりたくない!」 

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藤乃
「けれど、そのままじゃいられない
 ……そうですよね、エルトさん?」
エルト
「ーーええ、その通りです!」 

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復讐鬼
「だが、俺が手を下す必要もあるまい
お前達は時間を掛け過ぎたのだ」
メルト
「まさか……!」 

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メルト
「それでも彼女は巌窟王にとっても大きな存在だった
 彼女への愛を捨てきれず、彼女の息子は殺さず」
メルト
「エドモンが気に掛けて、焦がれていた存在はメルセデスであり
 彼女の名を付けるという事は……」
復讐鬼
「クハハハハハハハハハッ!勘違いも甚だしいぞ女ァ!」 

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メルト
「……メルセデス。エドモン・ダンテスの花嫁になる筈だった女
 嘘を信じ、フェルナンと結婚してしまった憐れな女」
メルト
「そして、巌窟王の希望になれなかった女」 

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復讐鬼
「ははは!随分な変わりようだなメルセデス!
 お前にとって、自分が女であることすら些事か!」
メルト
「あら、随分余裕じゃない色男
 それともやっぱり『昔の女』の事が気掛かりで?」 

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慈悲子
「……去勢します」
"色欲"
「えっ」
慈悲子
「見た所性欲に異常を来しています
 これはもう去勢するしかありません」
"色欲"
「な、なんと恐ろしい事を考える女だ
 ……だが、俄然燃えてきたぞ!」
ジャネット
「や、やめてください!無垢なジーク君だって居るんですよ!?」 

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慈悲子
「静かにしなさい!」
慈悲子
「……現在、ミス藤乃の治療をしている最中です
 それを邪魔する権利など、あなたにはありません」
"色欲"
「断るッ!
 嫌がる女を手籠めにしてこそ雄の本懐よ!」
慈悲子
「そうですか。なら仕方ありませんね」

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ジーク
「宝具の再装填に時間がかかる!
 藤乃は迎撃を頼む!」
藤乃
「ええ!……くっ」
慈悲子
「治療します。何処か痛みますか?」
藤乃
「お腹の方……傷はありませんが、たまにあるんです」
慈悲子
「なるほど、幻痛の類いですか」
エルト
「三時方向、何か来ます!」 

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メルト
「ーー見惚れなさい、
 壊れる事も出来ない、出来損ないの人形達」
メルト
「母なる海の観覧箱(ジオラマ)で
 身が朽ちるまで踊り続けなさいな!」 

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メルト
「エルトも言ってたでしょ
 嫉妬は全ての罪へと通じるものだって。だから……」
メルト
「ーー全部平らげてしまっても何も問題は無いでしょう?」
復讐鬼
「俺達全てを相手にする腹積もりか!
 確かにこれは暴食を名乗るに相応しい所業だ!」 

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メルト
「分断?そんな呑気な事を私がすると思って?
 そんな事を考えていたなら足元を掬われて当然よね」
ジャンヌ
「これは水の檻……いいえ、海!?」
メルト
「そう!海は私とリヴァイアサン達の特設ステージ!」 

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復讐鬼
「お前はリヴァイアサンを組み込んだハイ・サーヴァント!
 本来ならば嫉妬はお前が担う大罪の筈だろうに、堕落したか!」
メルト
「ふふっ、何か勘違いしてないかしら」
復讐鬼
「……何?」 

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