伊勢に来たから赤福ってそういう事じゃねえんだよ宗広

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古代中国の書『易経』だと童蒙は「君主」を意味しており、書の教えを突き詰めれば正理を説くならば諫言も辞さずという思想にも行き着く
中国思想マニアで著書内でも天皇に否定的な部分も見せる親房に合致しますし、やっぱり親王への厳しい教育というのが童蒙の真意でしょうか

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伊勢に来たから赤福ってそういう事じゃねえんだよ宗広

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もう一つが執筆時12歳の「義良親王(後村上天皇)の為の帝王学の教科書」という説
後の天皇を童蒙扱い!?と否定的だった説ですが、平安時代に天皇を童蒙と呼ぶ用例もあり、不自然ではないとする意見もあります
まあ悪左府の見解は「普通に無礼」で当時から意見割れるけど…
 

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普通に考えて蔑称なので目下の人物……即ち貴族の親房が明確に見下す「武士に対する書」とする説
東国武士を南朝に引き入れる為の正統性を訴えるもので、バカガキ並の頭脳でもここまで説明すりゃわかるだろってニュアンス
いくら差別意識あっても偉そうすぎる…とは思う

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【Tips】童蒙
一般的に「幼くて道理に暗いガキ」を指す言葉
親房の時行に対する呼び名となっているのは、彼の『神皇正統記』が「或童蒙」の為に書いたとの記述が由来だろう
この場合の「童蒙」が誰かは議論になっており、本書が何の為に記されたのかを知る手掛かりにもなる

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この戦前に蔓延った「皇国史観」というのがただでさえややこしい南北朝をさらにややこしくする厄介物で、それもあって親房も一時期アンタッチャブルな存在でした
現在ではその思想家的側面よりも南朝の総指揮官としての立ち回りが注目を集め、再評価されています
 

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そのうち『神皇正統記』は一説によると関東武士に対して歴史を伝えて忠誠心を説き、正しい道へと導かんとする「教養」による啓蒙のため記したとも言われている
ただこの書の影響を一番受けたのは後の世の水戸黄門……徳川光圀で、彼の思想が後の「皇国史観」に繋がっていく

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その関東時代に記していたのが『神皇正統記』と『職原抄』
『神皇~』は神代からの歴代天皇の事績、そして南北朝動乱の記録を記した歴史書
『職原抄』は朝廷の官職・秩序をまとめたもの
ロクに史料もない関東で書いたのに詳細に記されており、親房の博覧強記ぶりが窺える

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とは言え、親房自身が武士に高い官位を与えるようになり、理想通りには行かなかった
関東統治時代は結城親朝(宗広の息子)をなだめすかして南朝に留めようとしたり、中間管理職の悲哀が滲む
結局親朝は離反、対立貴族の反乱(藤氏一揆)、師冬の鬼強さで関東統治は失敗する

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武士への差別意識は著作に結構著れており『神皇正統記』では「武士連中は全員数代の朝敵で家を失わないだけ有難いと思え」と記述
同著では南朝方の大物楠木正成と新田義貞の戦死の部分もほぼ無視してます
尊氏もずっと「高氏」表記。これは尊氏表記を続けた後醍醐がおかしい
 

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思想も親子で似通っている…というより顕家が親房の影響を受け継いでる部分があり「北畠顕家上奏文」もいくつか父の代弁じゃないかとも言われています
一番言われているのが「無暗矢鱈に武士に官位を与えて朝廷の仕事をさせるな」という思想で立場としてはガチガチの保守派

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このバイタリティ、正に「顕家が成長したらこうなる」を体現したかのよう
顕家の死は『神皇正統記』で「忠孝の道ここに窮まる」「心憂き世」と嘆き悲しんでいる
大河『太平記』で顕家死後、人前では気丈に振る舞うも一人になると化粧が流れるほどに号泣する場面は名シーン

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中先代の乱が起きてからは上京し、尊氏を刺激しないよう諫言
その間に伊勢を抑えて拠点とし、帝の補佐の為に吉野の朝廷と行き来
顕家死後は挽回のため勢力を分散。後に関東にも赴き基盤を固めようとするも失敗すると吉野に帰還…と最高指揮官となってから滅茶苦茶走り回る

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建武の新政が始まってからは政界に復帰。顕家と共に奥州に赴任します
倒幕に加わっていない、冷遇した護良親王の義父ということから左遷とも言われてますが、同時に義良親王を任せているので報復人事の線は薄い気もする
親房は出家の身なので顕家のあくまで補佐の役割でした

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北畠家自体が大覚寺統に代々仕える近臣ですが、親房は後醍醐天皇の父である後宇多天皇に仕えた「後の三房」の一人
後醍醐帝からも皇子の世良親王の世話を任せられるほど信任は厚かったのですが親王が急逝したことを嘆き出家
政界を引退したため倒幕運動には加わっていません

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逃げ若武将名鑑【北畠親房】
北畠顕家の父で後醍醐天皇一番の側近。南朝の実質的な最高指揮官
謀略を得意とした寝業師。各地を駆けずり回り、同時に学識も広めていくなど顕家とは別ベクトルの「戦う貴族」であった
著作『神皇正統記』は後世の歴史観に大きな影響を及ぼす

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