「どこか違う国へ行きたい」踊り場でウォータークーラー踏んで僕らは /岡野大嗣

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ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら /岡野大嗣

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さよならは少しずつした方がいい脱水症に気をつけながら /岡野大嗣

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ハーモニカの端を吹くのはむずかしい隣の部屋がひとつ無いから /岡野大嗣

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ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる /岡野大嗣

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そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき /岡野大嗣

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This video has been deleted. そのようにメダカの絶えた水槽を見る /岡野大嗣

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ふりしきる雨の調べを啼鳥(ていちょう)の替はりに聞ひた淡青(たんせい)の球 /
東風めかり

優しさを透かしてあをい紫陽花の雨をよろこび揺れる花毬(はなまり)/とがし ゆみこ

イラスト:Sasasuke

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限りなく豆腐に近い脳みそに醤油をかけたような憂鬱 /岡野大嗣

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きみという葡萄畑の夕暮れにたった一人の農夫でいたい /岡野大嗣

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ねむるように死にたい布団職人がその目的で仕立てる布団 /岡野大嗣

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叫んだら僕から何が出るのかを確かめに行くひとりカラオケ /岡野大嗣

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ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら /岡野大嗣

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Involuntaria
esta ausencia de flores
vacía fábulas.
Sin moraleja vivo
la libertad del éxtasis.

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Nujabesで耳をふさげば掃きだめの夜もワンオクターブ明るむ /岡野大嗣

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えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣

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においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣

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運転に支障は無くて何年も放置している心の異音 /岡野大嗣

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吹かれれば二度と元には戻らずに済むとんこつの粉になりたい /岡野大嗣

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祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

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