祝日の午後の宙ぶらりんに来て無駄に綺麗に切る足の爪 /岡野大嗣

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10/19 青空とブルーシートにはさまれてサンドイッチのたねだねぼくら(岡野大嗣)

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10/10 消しゴムも筆記用具であることを希望と呼んではおかしいですか(岡野大嗣)

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そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき /岡野大嗣

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僕だけの秘密にしてる神様の誤植が僕のなかにあること /岡野大嗣

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ならべるとひどいことばにみえてくる頑張れ笑え負けるな生きろ /岡野大嗣

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物心ついた頃には僕はもう僕だったそんなの聞いてなかった /岡野大嗣

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9/15 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣)

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うつくしい音を紡いでいる人が消えてゆくのは社会の摂理 /岡野大嗣

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8/4 ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう(岡野大嗣)

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【絵短歌】まただ のり弁掻き込んでいるときに後頭部から撃たれる夢だ/岡野大嗣(『サイレンと犀』)

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降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り /岡野大嗣

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7/7 一年にふたり以上は渡れない橋で僕らはまたすれ違う(岡野大嗣)

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曇天は蓋を取っても曇天で自分の声は死ぬまで苦手 /岡野大嗣

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においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 /岡野大嗣

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6/5 ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた(岡野大嗣)

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えっ、七時なのにこんなに明るいの? うん、と七時が答えれば夏 /岡野大嗣

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もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい /岡野大嗣

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ふるぼけた水平線をリヤカーであつめて編んだ淡いストール /岡野大嗣

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4/21 僕だけの秘密にしてる神様の誤植が僕のなかにあること(岡野大嗣)

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