鉄仮面
「汎人類史側のオデュッセウスもそうだ
 探り続けた奴の真意、まさか女への情念だったとは」
鉄仮面
「愛した者の有無が汎人類史と俺との差であるならば
 おまえ達からすれば俺はつまらない男に見えるだろうな」 

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鉄仮面
「カルデアは今まで戦ったどんな敵よりも強かった」
コルデー
「これまで四つの異聞帯を踏破してきたのですから」
鉄仮面
「エキドナが暴走し、船が空を飛び、
 あまつさえ盾すら聖剣にする……発想の怪物か?」
コルデー
「あはは……あれにはわたしも驚きました」 

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ああ、そうか
すべては無意味ではなかったのか

それは俺自身にとっても同じこと…… 

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彼女を胸に俺は倒れる

立ち上がる力など、残されていなかった
数多の激戦の末
俺は既に満身創痍であったのだ 

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すれ違う度に、焦りを感じる
『何故』問う心と共に、鋼を揮う

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喉を裂き、骨を裁ち、首落とし、それでも尚
立ち上がる、足掻けども、遮られ……血が舞う 

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痛みを伴っても立ち向かう人
命を捧げてでも救う人
ただ愛のために戦い抜いた人
信じる心があるために守りきった人

言葉にすればとても簡単
しかし事実は嘘絵空事
なのにそれを現実のものとしてしまった人を
わたしは知っている

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コルデー
「わたしに与えられたスキルは、
 あなたを止めるまで、あなたを止める為だけに動き続けるモノ」
コルデー
「つまり、わたしこそが……」 

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コルデー
「あなたはそれを知っている
 あなたはその意味を知っている」
コルデー
「あなたはそれを揮う姿を知っている
 あなたはその特別さを知っている」 

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マシュ子
「ーーーーッ!」 

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鉄仮面
「気配を隠して船で近付いた
 ……その推測自体は間違ってはいない」
鉄仮面
「だが、あの激戦の中、どうやってここまで辿り着いた?」
鉄仮面
「砲撃の雨、焔の海、災禍と化した魔獣の群れ、
 木馬の戦闘……」
鉄仮面
「どの要素も凄惨壮絶……故に、ただで済むはずがない」 

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鉄仮面
「ーー何故、おまえがここに居る?」 

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鉄仮面「な、に……」

口にしたのは驚愕だ
地より駆け上った鋭い一撃が脇腹を切り裂いた
仮にもし、あと一歩踏み込んでいたならば致命傷になりえた一撃

しかし、驚いたのは傷付けられたからではない
重要なのはその攻撃があり得ない所からやって来た事だ 

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それは無意識の反応であった
激戦により研ぎ澄まされたオデュッセウスの身体は
その唐突な直感に反射的に従い

一歩

ほんの一歩だけ後退ったのだ 

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鉄仮面
「ーー俺はおまえの事を忘れていなかったぞ、我がサーヴァント」 

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コルデー
「あ……」
鉄仮面
「……言った筈だ。
 『おまえ達は、後一手足りなかったのだ』と」 

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鉄仮面
「確かに木馬は破壊された。
 並の英霊であれば爆発に巻き込まれて死んでいただろう」
鉄仮面
「しかし、この鎧もまた神体結界(アイギス)
 致命傷を負わずに済んだという事だ」
マシュ子
「……そん、な」 

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魈狩怒
「ようやく……終わった」
アポロン
「お、まだ生きてたか」
パリス
「最後の方、自壊覚悟の一撃に見えたんですが……?」
魈狩怒
「ヘファイストス・クリロノミアのお陰だ
 けどこれ以上は無理……しばらく休ませろ……」 

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マシュ子
「ーー『不帯剣の誓い(セルマン・デ・デュランダル)』!!!」 

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