ギュギュギュッと季節圧縮
詰め込んだ
トマトを切れば香り立つ夏

11 58

緑陰でピアス見つけぬ
楽しこと
忘れたきこと何かありぬべし

「ありぬべし」は多分間違っているとおもいますが
まぁそれも愛嬌かと・・

7 37

凌霄の散り急ぎゆく
公園で
驚く夏の旅支度かな

立秋まで一週間を切りました

9 39

鰻には扇風機なり
エアコンで
食うは大和の民にあらざり

11 45

砂日傘
赤青黄色と
派手なだけ
ああ青松よ
come back again!

10 48

カタツムリどこへ行く気か
庭の昼
老人探す町内放送

10 60

池の水を湧き立たすごと
夕立ち降り
鯉ども多分慌てふためく

8 40

こびとさんラッパ吹き吹き
王様の
結婚祝う夏の朝なり

8 54

納豆を混ぜれば遠く
耳の底
納豆売りの声が聞こえる

11 52

杣道を辿れば小さき
泉あり
蜥蜴が水を飲みに来てをり

8 43

夏帽子くるくる舞って
落ちて行く
橋上残るはげ頭かな

6 41

汗拭きつカレー食いをり
毒をもて
毒を制すの技の冴えなり

8 43

好きですと
言われたような
心地する
 天道虫が
 腕にとまれば

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あじさいの下から猫が
覗く昼
雨が上がってなお雲厚し

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噴水で午前十時の
待ち合わせ
梅雨の晴れ間は地球の華だ

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駅前の通りすなわち海通り閉めた酒場の壊れ看板

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風呂屋消え氷屋消えてもう今はイチゴミルクはどこで食うべし!?

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珈琲の香りの中で店主いうついに当地も梅雨に入りたり

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その昔半袖ワイシャツ流行きてホンコンシャツと呼ばれをりけり

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かさこそと竹の落ち葉を
しゃべらせて
一人遊びの猫の朝かな

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