門付(かどつけ)芸人の一種・鳥追女(とりおいおんな)。鳥追いを唄いながら各家を回る正月の風物詩です。編笠を深く被り三味線を手に歌を披露。着物は無地の紋付でシンプルですが、帯には格子柄の梅をあしらっていてオシャレです。歌川国貞『江戸名所百人美女 赤羽根水天宮』ヨリ

56 187

着物の褄を取り、蛇の目傘をさして振り向きポーズの芸者さん。粋な立姿です。裾模様の紅葉と流水の柄は竜田川文様でしょうか。帯は舶来物っぽいモダンな柄です。
渓斎英泉『華姿あふぎ合』ヨリ

56 188

幕末〜明治期に人気を博したカリスマ女方・三代目澤村田之助。演目『雁金五人男』の侠客に扮し、鮫鞘の太刀に涼しげな浴衣姿です。観世水(かんぜみず)に千鳥(ちどり)は、どちらも澤村家ゆかりの紋様。最強かわいい。歌川国貞『あつまのわか手五人男 かりの文吉 澤村田之助』ヨリ

50 175

十三代目市村羽左衛門(五代目尾上菊五郎)の弁天小僧菊之助。南郷力丸と強請り取った金の分け前を相談する場面。崩れた島田髷、露わになった白い肌と彫物、たくし上げた紅い長襦袢に縞の羽織を引っ掛ける…と、これが似合うのは超イケメンだけ…!歌川国綱『青砥稿花紅彩画』ヨリ

108 354

家の軒先にて、夜雨に降られてグショ濡れになった浴衣の裾を絞る女性の姿。藍染めの浴衣に、紅色の湯文字からのぞく白い素足が艶かしい。頭の姐さん被りは、少しでも髪を濡らしたくない女心です。
歌川国貞『集女八景 粛湘夜雨』ヨリ

71 233

遊女が客に羽織を着せてあげるところ。卯の刻は朝5時〜7時あたりなので、泊まった客を送り出すところなのでしょう。普段は隠れている羽織裏の絵柄に凝るのが通人の粋!この羽織裏には鈴木鄰松(すずきりんしょう)の達磨図が描かれています。
喜多川歌麿『青楼十二時 卯の刻』ヨリ

51 169

団七は『夏祭浪花鑑』の登場人物。魚屋あがりの侠客なので、魚介類が大胆に染め抜かれた江戸中形(えどちゅうがた)の浴衣姿です。名前は海老蔵(五代目)ですが、七代目団十郎です(長男が八代目を襲名したため)。チラリとのぞく赤色ふんどしが最高
歌川国芳『団七 市川海老蔵』ヨリ

35 127

夏コミ新刊『お江戸スタイルブックvol.1』浮世絵で見つけた美男美女のおしゃれファッションを紹介するイラスト本です。
江戸着物に関する蘊蓄ページもアリ。
オールカラー62ページ、A4サイズ。価格:1,000円

494 1202

江戸中期頃の上方の遊女。頭は鷗髱に島田髷で装飾は櫛のみスッキリ品が良いです。青地に枝垂れ桜と鶴丸文の打掛に、赤の着物が映えて素敵。穂落とし伝説もあるように鶴は日本では神鳥であり吉祥文様の代表格。
西川祐信『立ち美人図』ヨリ

37 133

化政期頃の冬の装い。紋付の着物に、雪の日でも素足!な粋な佇まいは芸者さんかしら。黒の御高祖頭巾、蛇の目傘は冬の定番アイテム。裾模様の梅が華やかで可愛い。帯の柄は縞に牡丹で少し変わったデザイン。
歌川国直『冬』ヨリ

45 198

大賑わいの年末、浅草寺の市で働く楊枝屋の女性。縞の着物に、桐の柄の帯がキュート。格子柄の前掛けを結ぶ紐もリボンのようで好き。市松模様の赤が効いてます。手拭いを姉さん被りに気合いを入れて、繁忙期を乗り切ります。
菊川英山『東都名所八景 浅草の暮ノ市』ヨリ

54 172

現代でもお馴染み『かまわぬ(鎌◯ぬ)』模様は、江戸っ子の心意気として江戸前期に町奴の衣装として好まれたものでしたが、七代目が魚屋団七の浴衣に使用したところ再び江戸の町で大流行します。
歌川豊国『曽我祭侠競 七代目市川団十郎の魚屋団七』ヨリ

65 225

お正月に恵方詣りにやってきた若衆ちゃん。髷に亀戸妙義社で授けられるお札が挿さっています。縞の着物に黒の帯がすっきりと品があって素敵。左手に担いだ縁起物の飾りが可愛い。下り酒の帝王・剣菱の酒樽がぶら下がってますがタイアップも兼ねてる?歌川国貞『春曙恵方詣』ヨリ

26 144

化政期に人気を博した女方・五代目瀬川菊之丞。蝶の紋に、菊柄の着物、簪も菊です。蝶と菊の組合わせは、当時の菊之丞ファンの女子達が真似したそう。個人的には帯締めのようなリボンと、煙管を結んでる布が可愛いくてツボ。
歌川国貞『役者雪月花 花』ヨリ

54 199

化政期〜天保頃まで活躍した役者・五代目松本幸四郎。高麗屋格子柄の浴衣を着て、庭から切ってきた菖蒲を手にしています。「鼻高幸四郎」の綽名通りの高い鼻と細く鋭い目元が特徴。でも顔には合わず花を愛する優しいお人柄です。
歌川国貞『俳優日時計 未ノ刻』ヨリ

43 168

八朔の吉原では遊女が白無垢を着ることを慣習としました。暑いので素材は絽や紗の薄物だと思います。白地に淡い松葉の柄で涼しげ。帯の意匠が凝ってて素敵。頭は島田髷に3枚の櫛に計18本の簪の大ボリューム!かなり高位の花魁さん。歌川国貞『江戸新吉原 八朔 白無垢の図』ヨリ

80 319

明和期頃の若い町娘。ピンク色の振袖に柄は鉄線(クレマチス)かな?袖の内側の切れ目(振り)から右手を出してるところがキュート。後ろに跳ね上がる鶺鴒髱と島田髷は『春信風島田髷』と呼ばれ大流行します。
鈴木春信『桃の小枝を折り取る男女』ヨリ

46 213

明和期頃の若衆。職は色子(役者・男娼)なので、視線を落とす先の文は客からかも知れません。矢羽の模様の振袖に、羽織の柄は蕨でしょうか。男髷で櫛を挿して鶺鴒髱…という倒錯した美しさ。好きです。
鈴木春信『見立山夕 西行法師』ヨリ

32 154

寛政期頃の通人(つうじん、吉原の遊びに精通した者)。当世風の長羽織、黒縮緬の頭巾が粋♡頭巾は男性の被り物として発達します。用途は防寒や塵除け、人目を避けるため等ですが、防犯のために幕府から度々禁止令が出されたことも。
歌川豊国『吉原大門内花魁道中図』ヨリ

36 200

江戸時代後期頃・吉原の花魁。呼出とは最高級の遊女です。髷は伊達兵庫。小袖や中着の額仕立ての生地に更紗を用いて異国風な装い。更紗は、室町末期以降に南蛮貿易でタイ、インドネシア、インド等から輸入された木綿布の総称。
歌川国貞『浮世名異女図会 東都新吉原呼出シ』ヨリ

52 193