(水没した武器を好事家に引き渡し、一息ついた私たち。だが、いつぞやのエセヒッピーがボロボロになってやって来た。カイザー製の武器を携えて放浪者の立ち退きを進める部隊。──その指揮官は、尾刃カンナだった)

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(チケット代が払えない河駒風に、スタッフは妥協案を提示した。オープニングスタッフとして開園準備作業を行い、その給料をチケット代に充てる。そんなウルトラCをやり遂げた河駒風だったが……待っていたのは、謂れのない犯人呼ばわりだったわけだ)

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(連邦生徒会に夏休みがあるように、ヘルメット団にもそれは存在する。だが、河駒風たちジャブジャブヘルメット団から総会に招待されたのは、河駒風一人だった。手下たちを思う彼女は、総会を袖にしてまで彼女たちのために奮闘する)

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「尾刃の仕事ぶりに関する誤解は解けたようで何よりです。──とはいえ、あの堅牢さと火力は厄介だ。メカワニ捜索のための作戦行動に、ご協力をお願いできますか?」

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「お前の特製ってつまり酒だよな?」
「いやいや、酵母は入れてないよ? ただちょっとぶどう多めだけど」
「お前とは自家発酵って美しい言葉について議論する必要がありそうだな……」

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(見習い任侠が催してくれた姉妹の契り。その気持ちに私はなにを返してやれるだろう。──こいつが慕ってくれるのなら。せめてその気持ちに真っ直ぐ向き合おう。そして、その気持ちを返してやれるように)

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「形より気持ちだよ。お前のその気持ちがなにより嬉しい。──妹分も増えたしな」
「アネさん……フィーナ、アネさんのお心遣い痛み入るデス!」

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(遊び疲れた剣先は、別人のようにおとなしくなった。戦いとも公務とも無縁のひととき。それをこいつにプレゼントできたのだから、今日のところは及第点だろうか。それにしても、羽川のお下がりの水着は、こいつには少し窮屈そうだ)

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(ある日。白石たちが頼んだ出前のピザに、ペッパーソースが入っていなかった。そこまでならよくある話だが、こいつらはよりにもよってペッパーソースを噴射する銃の製作に取り掛かったのだ)

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「愚問だなミス・ゼロシックス。掃除にはメイド服。私たちC&C見習い部隊の正装だろうが」
「いつからC&Cになったんですか、わたしたち」
「この間怪盗殿が来た時から。──ストレージの掃除もリアルの掃除も同じなんだろう? ついでにやってもばちは当たるまいよ」

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(結局。七神たちの来訪で、ここら一帯は公用地として接収されることになってしまった。くたびれ儲けになってしまった格好だが、河和の顔は明るい。きっと、この夏で得難い思い出を得たからなのだろう。その助けになれているのなら、苦労した甲斐もあったというものだ)

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(小鳥遊たちと合流する暇もあればこそ。当の小鳥遊たちまでもが、河和を黒幕と勘違いして殴り込んできた。ヤツらには楽しい始末書を贈呈するとして、河和の平穏のために、一肌脱ぐ必要がありそうだ)

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(案の定というべきか。落ち込んだ花岡は物置の中にいた。口下手な彼女はここで休憩するようになっていたそうだが、今日に限ってはどうやら同席者がいたらしい)

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(私が折れた骨を戻すように、白石は擦り切れたベアリングを取り替える。人とマシン、治す者と直す者。対象の違いこそあれ、学ぶところは大いにあった。それを思えば、機械油の汚れも苦にはならないというものだ。早瀬には、「まるで小学生ですね」と言われてしまったのだが)

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(材料も揃い、修復作業も順調。あとは経典を届けるだけ──かに見えた。若葉の元に届いた急報が、式典開始の繰上げを告げる。多事多端な一日、そのラストスパートを告げる鐘が鳴り響いた)

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(守月に突っかかっていたスケバン連中から、水苔膠の情報を得ることができた。問題の連中は心を入れ替えて奉仕活動に就くことになり、私たちは連中のねぐらから水苔膠を入手できることになる。これも若葉の人徳だろうか?)

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(状況はどこまでもおもしろおかしく転がっていく。粉砕した聖典の代わりに入れておいたカーマスートラのように。このままでは歌住が公衆の面前でセンシティブ文献を朗読することになる。起死回生の鍵を握る女は一人。人呼んで、古書館の魔術師)

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(せっかくなので、雨雲号をバックに記念写真を撮ってやる。愛機の写真は別途撮ってやるにしても、今ここにいる奥空を記念に残してやりたかったのだ)

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「大山鳴動して風呂一つ、か」
「仕方がないさ。それに、衛生環境については改善された。革命的進歩だね。先生もどう?」
「──そうだな。ついでにお粥でももらおうか。邯鄲の夢の締めくくりには、ちょうどいいだろうさ」

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(人の口には戸は建てられない。天見と間宵が掘り当てた温泉は、あっという間に温泉開発部の知るところとなった。瞬く間に温泉旅館が立ち、殺風景な流刑地は知る人ぞ知る秘湯へと変わる。どのみち銃創もまだ痛むのだ。湯治方々、様子を見に行こう)

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