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《疼く浅い傷を照らす渡り廊下》
《未来閉ざす進路指導室》
行き場無く昇降口を睨む、放課後。死ぬ気なんてサラサラない手首の浅い傷。
彼女が神様をしている理由は、キャラソンに詳しい。
なあ。それでも。
言ってやれ。ヒーロー。
「君を退屈から救いに来たんだ」!
昇降口で足が止まる。夕方から雪の混じった雨が降り出した。「入ってく?」。背後から女友達に傘を差し出される。目撃されたら彼に誤解されるぞ。「1か月で振られちゃった」。え、あんな必死で口説かれてたのに? 「ほかに気になる人がいると見透かされた。見られたら、誤解じゃなくて納得されるよ」
テレビを消し、青いヘッドフォンをして登校する。片思いの彼は私と同じ2月が誕生日。近づきたい。そう願ったのに今日も結局進展なしだ。帰り際、昇降口でため息つくと「一緒に帰る?」と呼び止められた。彼の腕には青の時計。同じ番組見てたんだ。思いが叶う、2月生まれのラッキーカラーは今日は青。
くちなし134号各学年の昇降口に設置しました!
今回は表紙:パキラ、裏表紙:ハルマキが担当しました
今回は前回よりボリュームアップ!冬休みのお供にぜひ取っていってくださいな(河津)