『ツィーゲノルト』2013
父親の漁を手伝う少年には、網に絡めとられた魚が自分に見えて仕方がない。

息のつき方が分からない。輝くものに手が届かない。
腹わたを引きずり出されたのは自分なのか。
出すのが自分なのか。
思春期の息苦しさと危うさが、太陽の下で揺れる。

0 7

『ダーティ・セブン』
首に縄が回った7人を引き連れて挑む、要塞攻略マカロニウエスタン。少し米国製っぽさがある。部隊ものとしては若干不完全燃焼な部分もあるが、ダイナマイトが飛び、ガトリングガンが唸る後半の火力の高さは折り紙付き。衝撃波を感じる爆破シーンもお見事。

4 15

『ダーク・シティ』
悪夢の様な目覚めと共に始まる記憶無き男の物語。決闘において少々必然さが希薄な描写こそあるが、アナログ特撮と不自然さを避けたCGの組み合わせ、回顧と前衛が混在する闇を纏う街の世界観に心惹かれる。黒き追跡者達の掘り下げはもう少し欲しい所ではある。

27 41


『ドグマ』'99

生活にも信仰にもお疲れ気味のベタニーに、天使メタトロンが「ニュージャージーに行け」と告げる。
追放された天使が協会の門から天界に戻ろうとしている。
世の摂理が狂うと世界は滅ぶと。

敵も味方も変な奴らが集まって、ドグマを巡るドタバタ劇。

3 7

『肉弾』
戦争経験者の岡本喜八が常に描いて来た戦争上官達の「命令は下に、責任も下に」への怒りが爆発した傑作。特攻を命じられた好青年な愛国者が国に絶望する姿を見よ。
何が「国の為に死ね」だ!「死んじゃダメだよ」と言ってくれるのが真の上に立つ者だろ!

34 83

ジョセフ・L・マンキーウィッツ『イヴの総て』#1日1本オススメ映画 大女優の下へ入り込み、周りの人間をたらしこんで、演劇界の頂点にたった女優イヴ。業界の裏面を辛辣な人物描写で皮肉たっぷりに描く。普遍性を持つ人間の野心、策謀、嫉妬、信頼、通俗性。優れた俳優陣、卓越した脚本と演出が光る

5 29

『ランボー』
帰還兵の悲哀、非従軍者の偏見と傲慢、様々な姿をした戦争の爪痕に寄り添う事を選んだ名作。劇伴も名品。防寒にと現地調達布を纏った姿が苦行中の巡礼者の様なのは、ある種の暗示か。星条旗を付けた保安官と、部隊章を付けた大佐の皮肉めいた対比の構図も興味深い。

30 82

痛いシーンがある映画6本です。007 カジノ・ロワイヤル、アウトレイジ、アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ、ミザリー、ザ・セル、殺し屋1。#1日1本オススメ映画

20 49

ダーレン・アロノフスキー『ファウンテン 永遠につづく愛』 不治の病の最愛の妻を救うため特効薬の研究に没頭する夫…。「創世記」をベースに独特の世界観でスピチュアルな妄想世界が展開。現在、過去、未来が時空を超えて交錯し圧倒的映像美と音楽で生命と愛の源に誘う。 

2 29

「この世界の片隅に」
戦時下の日本の姿を一家庭の主婦の目から描いたアニメ。教科書数ページの無機質な戦争しか知らない私にとって本作で描かれる生活感溢れる戦争は実に新鮮で衝撃的なものだった。当たり前の生活の素晴らしさを噛み締めたくなる名作

17 47

『仁義なき戦い 広島死闘篇』
番外編的な枠組みながら、屈指の人気を集めるシリーズ第2弾。大友勝利と山中正治と言う、対極に位置する二人の人気キャラが本作をグラグラと振り回す。
あの戦争の落とし子と言うべき“狂犬”と“殺戮マシーン”。戦後に産まれた哀しき怪物の死闘を見よ。

21 35

“この世界の片隅に”
選ばなかった過去は夢の様に...辛くひもじい思いをしようが空は青く緑は生い茂り蝶は羽ばたく。右手を通じて見えた美しい世界は失われ、戦争の現実が暗黒の影を落とす。どこへでもふわふわと飛んでいく綿毛はやがて根を張り、愛の為に彼女は居場所を見つける。#1日1本オススメ映画

12 39

『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』
孤児の少女と夢を調合する巨人の冒険を、スティーヴン・スピルバーグが3Dアニメで映画化。
普通の児童文学の映像化にはしておらず、ギャグ満載の英国王室訪問は爽快。そして英国軍vs.大巨人軍の戦いは、きっとナベツネも興奮すると。

4 7

ダーレン・アロノフスキー『ノア 約束の舟』 旧約聖書を無神論者のアロノフスキーが独自解釈。突き放した視線による神話の壮大なる映像化。神の意志を取るか、人間の愛を取るかの選択を迫られるノア。豪華俳優陣を配し、CGを使い動物が方舟に入っていくシーンが凄い。 

2 10

『メランコリア』
重度の鬱病を患ったラース・フォン・トリアーが描く、惑星“メランコリア”衝突による世界の終わり。刻々と迫り来る終末に、鬱病のヒロインと健常者たちの異常と正常が反転。ワーグナーの不穏な旋律が流れる中、ターコイズ色に染まりゆくラストが絶望的に美しい。

10 28

『E.T.』
新世界が迎えにやってくる。『未知との遭遇』ではその誘いを受け入れ、現実を捨てる行動を描いたスティーヴン・スピルバーグ。
しかし本作では、他者からそして自分自身が全てを肯定し踏み止まる決断を下す。映画作家としとの成長と、成熟された映画作りの両方を味わう。

5 19

『透明人間』
ジョン・カーペンター監督だけどホラーじゃなくてコメディ、透明人間というタイトルだけどウェルズじゃなくてセイントの『透明人間の告白』が原作。透明人間になってしまったチェヴィー・チェイスとダリル・ハンナの純愛物語。見えない物を見せる工夫が楽しい。#1日1本オススメ映画

10 28


『ON ANY SUNDAY』(1971)
遊びをせむとや生まれけむ。
老若男女プロアマ問わず二輪で(*゚∀゚*)キャホ-イ!してるドキュメンタリー。
二輪に興味がない?無問題。
どう思われても好きなものは好き。そんな気持ちの分かる、あなたの為の映画。
邦題は…まあそこは置いといて。

1 9

『悪魔のいけにえ2』ホラー映画の2作目以降は面白くないのが定番ですがこれは別。レザーフェイスがこんなかわいいとは。チェーンソー大量購入して一家に挑むおっさんもかっこいい。ポスターがブレックファスト・クラブのパロディなことからも分かるように完全にコメディ映画です。#1日1本オススメ映画

8 39

『時の支配者』
仏アニメ作家ルネ・ラルーのSFファンタジー作品。ある惑星で父を亡くした少年と彼を助けるものたちのお話。少々難解な部分もあり正直詳細は憶えていないが、この柔らかい線と色で創られた独特の世界観は脳裏に残っている。久しぶりに独創的アニメを観たくなった。

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