妖精の音楽は人のそれよりも美しく、また技術も素晴らしいのですが、なぜか彼らは時々人の楽士をあちら側に招いたり、攫ったりします。人は寿命の短いが故に何をしでかすか分からないから愛されるともいいますから、もしかしたらヒトのアレンジが聞きたいからかも知れません。

28 106



妖精の楽器と言えば、竪琴や笛(バグパイプなど含む)が上がることが多いのですが、紐解いてゆくと「ラッパ」「ハンマーダルシマー」など多彩です。珍しいところでは「タンバリン」なども。しかもそのタンバリン、ノリノリになるのではなく生き物すべてを眠らせてしまうとか!

29 121



童話の原型でもある妖精譚。よく道徳譚だと思われていることもありますが、もちろん彼らに人の道徳が通用することは稀です。働き者で嘘をつかずというのが好かれる美徳と言われていますが、あくまでもそれは「彼らにとって都合が良いから」なのです。

31 86



木の葉の色づきとともに樹の乙女が髪の色を変えるように、妖精たちの中には、宿るモノの変化で姿を変える者がいます。自然の現し身でもあるのですから尤もなことですが、そう考えると国魂でもある女神たちが、時に老婆に、時に乙女に変じるのも当然のことかも知れません。

33 130



先日、妖精たちが魔法をかけるとお話ししたセントジョーンズワートですが、逆に妖精避けになる事も。夏至に刈り取ったセントジョーンズワートをドアに下げておくと、邪妖精だけでなく、悪さをする悪魔を遠ざけることが出来るとか。気になる方は是非お試しあれ。

67 206



様々な妖精譚では、占いの最中に不可思議な存在が登場するというものがあります。ある女性が結婚相手を知りたくて占ったところ、突然多くの人が現れ、結婚式を始めました。やって来た新郎新婦は自分と、快く思っていた若者でした。しかしその若者は数年、村を離れていたのです。

37 137



家憑き妖精の逸話は本当に多いものです。中には引っ越しても彼らがついてきたお話がありますが、逆に彼らを連れて行くのを忘れたお話も。ある家族は引っ越した後毎晩いたずらに悩んでいました。話を聞いた妖精に詳しい人が「それは家憑き妖精が腹を立てているんだ」と

18 81



妖精避けについては様々な言い伝えがあります。聖書や短剣などは大変有名です。その中で、ニガヨモギ(もしくはヨモギ)もその1つ。特に水怪を退けると伝わっています。日本では小豆が魔除けになるという話もありますから、草餅とか最強なのかな? と夢想してみたり。草餅オイシイ

55 138



妖精郷の場所として湖があります。アイルランドの妖精王の一人は湖の底に壮麗な宮殿を構えていると言いますし、別の話では妖精女王が治める湖が西南部にあると言います。他にも湧水には必ず妖精が宿るとも。あの宝剣を授けたのも湖の乙女でしたね。

47 132



いよいよ明日は5月1日。光の季節が始まります。古くからその前夜には様々なしきたりがあり、妖精避けもその1つ。彼らが悪さしないように、聖なる泉(井戸)で水を汲み、1日の朝、家畜に振りかけるのです。これで妖精たちは手出しできなくなるそうです。

24 76



妖精と結びつけられた草木百花は多多ありますが、一番身近なものは鈴蘭ではないでしょうか。和名は君影草。その愛らしい姿と可憐な香りで大変人気です。白い鈴が連なって咲く姿は『妖精の階段』と呼ばれますが大変強い毒草でもあります。同じく鈴形の花を付けるブルーベルも同じ。

131 369



名家の主が亡くなるとき、泣き妖精たちが現れて泣き叫ぶというお話はアイルランドを中心に多く伝わっていますが、中欧のある国の王が亡くなる予兆として、そこに流れる川が完全に静止したと伝えられています。国王の死に、川そのものが哀悼の意を示したのだとか。

29 111



妖精たちが、祖霊や、その祖霊が信仰していた神であるという説は広く知られています。その中で妖精王は、まさに祖先達の王であり、いにしえの神々の王であったとされています。とりわけアイルランドの妖精王達が、アイルランドの古い神々の名をそのまま引き継いでいることも。

38 121



妖精譚には様々な象徴が現れます。例えば紡錘(ツム)。糸紡ぎに欠かすことの出来ないものであり、眠り姫の指先を刺すものです。ある妖精譚では、紡錘は子宝に恵まれるお守りとして登場します。妖精からの助言を受けて作られた黄金のそれはある家に代々伝わっていたと言うことです。

24 80



妖精が家を訪れる事は時に不幸を招く事になるというお話は多多ありますが、中には九死に一生を得ることも。ある地方で、大雨の日、小人が宿を頼んできたのですが、多くの家はそれを断りました。唯一、村一番の貧しい家だけが快く迎え入れました。

20 103



彼らが好む人物に贈り物をすると言う話はたくさん伝わっています。東欧では、彼らが人を大地の裂け目から、彼らの宮殿に連れて行くことがあり、その相手が彼らのお眼鏡に適ったなら素晴らしい贈り物をしてくれるとか。彼らの世界への入口は泉の傍にあるそう。

28 101



七色に揺らめく極北の光。オーロラは天上で踊る妖精の踊り子達の裳裾だと言われていますが、別の伝承では、狐たちの放つ火花、つまり狐火だというのです。確かに突如と現れ、空を覆い、刻一刻と姿と色を変えるオーロラは、超常的な何かが関わっていると思ってしまいますね。

43 126



妖精からの贈り物のひとつに「美しさ」があります。美しさ(ないしはそれを引き出すもの)を授けられ貧しい娘が幸せな結末を、というのは昔から語られている流れです。ですが、やはり妖精たちからの祝福を与えられるのは、気立てが良く働き者というのが外せない決まりのようです。

28 108



妖精たちが踊った後に、キノコやクローバーが輪の形に残ることをフェアリーリング、妖精の輪と言います。ですが、彼らが残すものはそれだけでなく、時に、指輪など忘れ物をしていくそうです。それを彼らに返すことが出来たなら、何でも望みを叶えてくれると伝えられています。

51 151



人の通わぬ深い森には泉があり、そこには白い妖精の鱒が棲んでいると言います。この鱒は元々人間の姫で、将来を誓い合った王子をずっと待ち続けているそう。
間違って釣り上げてしまった男が彼女に強かに叱られるという話が、アイルランドに伝わっています。

45 187