ルビー「すっかりと親子の距離感になっていますね、微笑ましいものです」

ゼノ「そうだね。ちょっと、羨ましいかな…」

アミクス〈それは良いけど…二人共、時間は大丈夫ですか?〉

0 1

ルビー「(…以前の我々を見ている様です…)」

ゼノ「(そうだね…)」

アミクス〈まぁ、そういう反応にもなるでしょう…色々な意味でね〉

0 1

ーリハビリ施設ー

ルビー「アミクスさん、いらっしゃいますか?」

アミクス〈あら、貴女達…そちらの二人はお客様?〉

ライト「ウミトとルミティア…迷っていた所を見掛けて、道案内をしていた」

アミクス〈ああ、そういう事ね…。ログアウトポイントを開放するわ〉

0 1

アミクス〈ありがとう。よろしくお願いするわ、タカミネ主任〉

ライト「さて…そうなると、貴女はマクスウェル社に戻る事になるか。ここはログアウトポイントを兼ねているから、すぐログアウト出来るぞ」

ゼノ「今日はありがとう、タカミネさん。契約の事、考えておくよ」

0 1

アミクス〈あの時は、貴女の飲み込みが早くて助かったわ、うん〉

ゼノ「ふーむ…根は面倒見が良いのでしょうか…意外です」

ゼノ「私は納得だよ。アミクスさんも、良い人だもんね」

アミクス〈それほどでも〉

0 0

ゼノ「シホさん。色々と大変みたいだけど、ゴウさんは頑張ってるよ。私達の事を助けてくれたもん」

アミクス〈シホさんは、心中複雑かも知れませんが…。課長は、彼女達の様な”例外中の例外”を受け容れていく為に必要な人です〉

ルビー「正直に意見を申し上げますと、まだまだ精神的に未熟ですが」

0 1

ゼノ「うん。ありがとう、タカミネさん」

アミクス〈今後、調査の進展があったら報告するわ。…それと、ルビーの事は私達に任せて〉

0 1

ルビー「ああ…そういう事なら納得です。失礼しました」

ライト「誤解をするのは人だけではない…か」

ゼノ「えーと…私達の訓練が終わった後だけど…。ライト、誰か残ってる?」

ライト「アミクスが残っている。ログアウトポイントの使用だけなら、問題ないだろう」

0 1

ルビー「相性が良いのでしょうね」

ゼノ「何か良いね、こういうの」

アミクス〈(”通じ合う部分”がどういうものかは、少し気になる所だけど…詮索する事でもないか)〉

0 1

ルビー「ふーむ…本当に謎の多いご婦人です」

ゼノ「トールもだけどね」

アミクス〈あまり、人の隠し事を勘ぐらない様にね〉

0 1

アミクス〈(…”相棒”に撫でられた時とは、また違った感覚だわ…)〉

ゼノ「んむ…ん、お腹いっぱいだ」

ルビー「ご主人様が作れる量にも限りがあるのですから、なるべく摂食時間はズラしたくないのですが?」

ゼノ「えっと…ごめんなさい。次は我慢するから…」

0 1

アミクス〈…曲がりなりにも、彼女は望を”主”と認めている。彼女の中にあるのは、怨恨だけではないはずよ〉

ゼノ「…うん、そうだよ。ルビーだって、”私達”を助けてくれた」

0 1

アミクス〈ありがとう、ロキ〉

ロキから棒付きキャンディを受け取り、口に入れるアミクス。

ゼノ「あれ?アミクスさんとロキさん、知り合い?」

アミクス〈貴方達と会う前からね〉

ルビー「おや、意外ですね。あまり人付き合いが得意そうな感じではない…と思っていたのですが」

0 0

ゼノ「はむっ」

ルビー「…変な方向に感覚が鋭いですね」

アミクス〈全くだわ〉

少し遠くに見えるリハビリ施設の方向から歩いて来たアミクスが、ゼノの様子を見て半眼になる。

ルビー「おや、アミクスさん。ライトの調整は終わったのですか?」

アミクス〈キリの良い所まで終わったから、休憩よ〉

0 0

ルビー「元よりBNDDオンラインの住人ですが?」

ゼノ「元は人間だったよ?」

アミクス〈そういう事じゃないのよ…〉

ライト「これは、浮世離れ…というものか?」

0 1

アミクス〈全くだわ。勇矢さんも仕事が一気に増えて大変そうだし、望もリハビリが長引いたし…〉

ルビー「…ともあれ、見るものは見た訳ですし一息吐くのが良いでしょう。お茶をどうぞ、タカミネ主任」

ルビーが、人数分の紅茶を机の上に置いていく。

ゼノ「ありがとう、ルビー」

0 1

アミクス〈まぁ…間違いなく”見ている”でしょうね〉

〈何の干渉もして来なかった辺り、私達の事は信用してくれているのかも知れないけど〉

ゼノ「この世界が誰もに認められる時が来たら、自分も世界の敵を止められるかも知れない…って、レヴァイアは言ってたよ」

0 1

ルビー「ふみゃあ…優奈さんとはまた違った優しさの力加減です…」

ゼノ「ルビー、嬉しそう」

アミクス〈トール、今の内に食べるといいわ〉

0 1

ゼノ「…ありがとう。ただいま、シホさん」

食事の手を止め、大人しく撫でられているゼノ。

ルビー「ふふ…良い光景です」

アミクス〈そうね〉

ライト「この光景を見られた…それだけでも、力を尽くした甲斐はあったな」

0 1

アミクス〈望達のリハビリが終わって、今は彼の調整を手伝っている所よ〉

ライト「………」

ゼノ「ライト、調子はどう?」

ライト「アーマーはまだ修復に時間が掛かるが、本体の調整は良好だ」

ルビー「アミクスさん。タカミネ主任が、一つ聞きたい事があるそうです」

アミクス〈…聞きましょう〉

0 1