ゼノ「あ…ごめんね、食べ過ぎちゃった」

ルビー「”暴食”のメモリは伊達では無いのです。食事が目に映ると、満足するまで止まりません」

「〈サイレンス・フィールド〉の中では、言われれば他人への配慮が出来るので…若干マシな状態です」

アミクス〈…有理沙博士も色々考えてるみたいだけどね〉

0 1

ゼノ「わーい♪」

ルビー「ゼノ、”いただきます”を忘れずに」

ゼノ「あ、そうだった。いただきまーす」

アミクス〈(彼女の経緯を考えると、単に世間知らずなだけだとは思うけど…。これは、今後が大変そうね)〉

0 1

ーリハビリ施設ー

リハビリ施設の前に到着すると、ゼノが施設の中を覗き込む。

ゼノ「えーと…アミクスさんとライトが居るね。有理沙博士は居ないみたい」

ルビー「ルヴィアトレーナー…も居ないですか。アミクスさん、少しよろしいですか?」

アミクス〈あら、ルビーとゼノ…に、タカミネ主任?〉

0 1

ゼノ「おおー…?」

ルビー「…前提がズレている様なので言っておきますが。ティータイムというのは、沢山のご飯を食べる時間ではありませんからね?」

ゼノ「そうなの?」

ルビー「そうなのです」

アミクス〈…望、少し甘やかし過ぎね〉

ルビー「返す言葉も無い…後で厳しく言っておきます」

0 1

アミクス〈店長の仕事も見ているから、もう慣れたわ〉

シホと同じ様に、手際良くお茶を淹れるアミクス。

ルビー「……(うずうず)」

ゼノ「ルビー?」

ルビー「…客の立場になると、どうにも落ち着かないのです」

0 1

アミクス〈シホさんはお客様なんですから、この場は私が…〉

ゼノ「シホさんの淹れるお茶…」

アミクス〈………シホさんも、お手伝いをお願いします。お手数お掛けしますけど〉

ルビー「…やれやれですね」

ライト「全くだ」

0 1

ライト「よく来たな、トール。済まないが、私は電脳体の修復中で相手はしてやれない。許せ」

アミクス〈お茶位は出しましょうか。少し待っていて〉

ゼノ「ありがとう、アミクスさん」

ルビー「どうぞお構いなく。ここに来たのは偶然ですし」

0 1

ルビー「出会って間もないので、友人かと聞かれると答えに困るのですが…」

ゼノ「私達を助けてくれた恩人ではあるよね」

そんな事を話しながら歩いている内に、目の前にはリハビリ施設が。

アミクス〈ルビーにゼノ?今日のプログラムは終わっているでしょう?〉

ライト「…?」

0 1

桜並木の下を歩く四人。ルビーが前で道案内をし、一番背の高いゼノが皆の後ろから周囲を見渡す。

ルビー「リハビリ施設はこの道をしばらく進んだ先です。ご主人様と私達のプログラムは終わっていますが…ゼノ、誰か居ますか?」

ゼノ「えーと…アミクスさんとライトが居るみたいだね」

0 1

ルビー「アミクスさんも、ご主人様のリハビリを手伝っていますからね。ここには頻繁に出入りしています」

ゼノ「それじゃあ、お散歩しながらアミクスさんを探す?」

ルビー「まぁ、良いでしょう。カロリーブロックのストックはありますし、今日のプログラムも終わっていますし」

ゼノ「決まりだね」

0 1

静治「もう来てますよ、っと」

飄々とした声が静かに響くと同時に、専務室に複数人の警官が入室する。

アミクス〈勝てる事は分かり切っていたもの。第三者委員会を立ち上げる時に連絡しておいたわ〉

静治〈いやー…相当あくどい事やってたんだねぇ、おたく。聞いた時は開いた口が塞がらなかったよ〉

0 2

電源ON、スタートアップを済ませてBNDDオンラインのプレゼントBOXを確認する。

???〈兄貴、兄貴、あ・に・きー♪〉

ゼノ「わっ…!?」

望「…スマートナビAI?」

有理沙「うむ。アミクス君の許可を得て、彼女の持つ高い拡張性と情動表現力を応用し開発したAI」

「その名もセフィラシリーズだッ!」

0 1

望「ふーっ……ふーっ…!」

望くんのリハビリトレーナーを務めるスマートナビAI…ルヴィアの叫びを聞きながら、望くんは冷静に呼吸を整えて走り続ける。

優奈「うぅ…」

有理沙「ふーむ…アミクスくんを参考にスマートナビAIを作る事を考えついた訳だが。我ながら個性的な子達を生み出したもんだ」

0 1

サフィール〈この様に…誰かを罪に問う時は、信頼性の高い証拠を揃えておく物です〉

勇矢「これでもなお、シラを切ると言うのであれば…こちらも刑事告訴を始めとした、相応の対応をさせて頂きましょう」

アミクス〈知ってる?裁判って、続ければ続ける程お金が掛かるものよ?〉

0 2

勇矢「アミクスさんは、優奈さん達に状況を伝えて下さい。少しばかり力を借ります」

アミクス〈アイ、サー。勇矢さんは?〉

勇矢「会長もようやく重い腰を上げた様なので、話をしてきます」

???〈こちらの事はご心配なく、アミクス様〉

アミクス〈…勇矢さんの、スマートナビAI…〉

(2/2)

0 4

ーBNDDオンラインカフェ〈ペルシュ〉ー

勇矢「ふむ…」

アミクスの連絡により、速やかに設立された第三者委員会の構成員名簿を確認。険しい表情を浮かべる勇矢。

信矢「一難去ってまた一難か…ほれ、コーヒー」

勇矢「ありがとう、兄さん」

アミクス〈これからどうするの?勇矢さん〉

(1/2)

0 5

勇矢「只今戻りました。ハヤテさん、状況は?」

アミクス〈(…全ての動きが後手に回っている…。なら、今やるべき事は…)〉

勇矢がハヤテに状況確認を求める中、アミクスは密かに連絡を取り始める。

0 3

勇矢「弓会長!?総員、直ちにログアウトを。緊急事態に対応します!」

アミクス〈全く、次から次へと…!〉

〈(ミヤガ専務と黒幕の狙いは読めたけど…今は、反撃の機会を伺うしかないか…)〉

0 4

勇矢「アミクスさん!」

アミクス〈やられた…っ!反応ロスト、追跡は不可能よ…!〉

勇矢「く…!各機は敵残存戦力を速やかに排除して下さい!」

「(ミヤガ専務と繋がりのある何者かの仕業か…やってくれましたね…!)」

0 4

勇矢「どうしましたか?」

勇矢の声と同時にブラックライダーが降り立つ。

アミクス〈〈steelyard〉始動。戦域周辺の索敵を開始する〉

0 4