「ご店主、ラーメンひとつ。……ん?」
「御形先生⁉︎」
「尾刃? また妙なところで会うな」
「こちらの台詞ですよ……」

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(結局その日は、全員で遊び回った。ヘルメット団もひと段落ついて、無心に遊び回る休日。花岡までもが、いつもの箱から出てきてバーベキューを食べ始めたほどだ)

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(愛清の様子は初手からおかしかった。天雨ばりの絡み方と愚痴の嵐。脈絡なく飛び出すみりんの話題。みりんとみりん風調味料の違いについて六花さんが話してくれたのは、いつだっただろう。まさかとは思うが、愛清、お前)

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「閃光弾か……」
「守月ちゃんを思い出す?」
「待て待て。お前さんと守月、面識あったのか?」
「一応ライセンサー同士だし、爆発仲間だしね。守月ちゃんはつれない態度だけど」
「あんまりいじめてやるなよ?」
「いじめてないよ? 親愛の表現☆」

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「虚しい勝利だった……」
「人に特殊プレイを強いておいてぬけぬけと……」
「お前が盛大に自爆したんだろうが」
「ぐぬぬぬぬぬ」

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(掃除のアルバイト、と言われていた先はスケバンどもの巣窟だった。まあ確かに、生徒会未登録の不良生徒なんて社会のゴミではあるのだが……)

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(星を見せたい、とヤツは言った。小さな遊園地の、一番空に近い場所。ヤツが見上げる空の星が、ヤツが守った平和の灯火が、私たちを出迎える。私たちはただ無言で、その光を瞳に捉え続けた)

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(同じ高さから見る横顔は、びっくりするほどあどけなくて。それでいて、夜明けの光のように穏やかだった。いつもはしゃいでみせる彼女の柔らかな笑み。初めて見る顔だった)

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「そうは言うがな伊原木。私、そんなにお前さんを振り回してるか?」
「自覚もないんだから。どうせセリナ先輩にもレイサにもフクカ……早瀬さんにもそんな感じなんでしょ?」
「待て待て。お前さんの中の私はどうなってるんだ」

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(隠し扉の先にあったのは、ダンジョンよりもタチの悪い魔物の巣……盗品を商う闇オークションだった。そのオークショニアは──銅田。怪盗殿の言っていることが、俄かに真実味を帯びてきた)

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「申谷のやり口は卑劣だが、人を傷つけることはしなかった。狐面の女も、表立って手を出したわけではない。──連中には連中の仁義があるんじゃないか、と思ってな」

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「へいへい。おはようさん、ミス・ゼロセブン」
「ぜろせぶん?」
「美甘にバレてもいいように、室か……トリニトロトルエン星のプリンセスに知恵を借りてな。お前さんは美甘直属の影武者の一人、ってわけ。ちなみに私はゼロファイブな」
「ネル先輩の影……なんかそれっぽい!」

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(銅田というパグ種の紳士が、才羽姉を美甘と間違えたまま、C&C宛の任務を依頼した。才羽姉の安請け合いに巻き込まれた私とゲーム開発部は、メイド服に身を包み、怪しげな依頼人の仕事を受けることになってしまったのだ)

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「あのさ静山。同じ名前のよしみで聞くけど、あれでも『テンション高いですね』で済ませていいものなの?」
「いいものですよ? シュガーラッシュのライブに比べればまだ穏当な方です」
「……栗村には聞かせられないから、この場で忘れていいか?」

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(週刊ペースで謎の生命体を生産する牛牧も、料理にかける向上心は本物だ。というわけで、今日は特訓に付き合った。前途は厳しく長いにしても、今日の成果はないに等しかったにしても。いつか、ヤツにまともな料理を作らせたいものだ。愛清と私の消化器系のためにも)

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「いや、お前さんがここを指定したんだろ? おかげでいいものも見られたし」
「い、いいもの、そんな、こんな、雑草です、あのあのあの、せめて切腹を」
「待て待て待て。園長が腹を切る植物園なんぞ斬新がすぎるだろう」

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(そこは野の草を収めた一室だった。深い愛情に支えられ、生い茂る草たち。緑の匂いすら感じるこの場所に、紫紺の花が立っている。綺麗だ、と。我知らず吐息が漏れた)

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(ゲヘナの外れ、スケバンすら寄り付かない一角。荒れ果て過ぎて逆に静かな街並みに、ヴァンガードを走らせる。と、何か馴染んだ気配を感じた気がした。私は愛車をアロナに任せ、廃墟の奥へと分け入った)

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(栗村の心遣いに応えてやりたくて、たまたま通りがかった屋台を呼び止める。ヤツに振る舞うのはもちろんチョコミントアイス。高校の時に図書館で読んだ、あの何やらいうアイスクリーム屋を巡るラノベ。それを思い出させるひんやりとした甘みが、私たちの心を潤した)

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「ここまで清々しくダメだと、いっそ芸術的だな」
「くふふ。天然記念物だよねー。アルちゃん、社長として何かコメントあるー?」
「ううううう……ないわよっ! 先生、しばらく外してて!」
「はいはい。やりすぎないようにな、陸八魔」

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