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青春の及ぼす潤いの
まだまだ話し尽くせぬうちに
終わった夏よ
笑顔の封蝋で閉じた
夏の日よ
多感を彩った二つの手と
失って行く温もりの章に
署名を入れること
所詮 道という 未知の領分を
分け合う勇気を持ち得ない
若さの至りでした
今日のこの気温にふつふつ
泡立つ思い出もあり
#楽詩 絵.甲斐千鶴
②
口に手をあてもう戻れよと言いかけて口をつぐんだ 失いそうで
気がつけば裾もまくらず足うらがやけどしそうな砂を蹴ってた
振り向かずときによろける強がりのきみの手のひらこわばっている
「来てくれた」白い歯こぼれここに来た意味を見つけてそっととけだす
#楽詩 絵・甲斐千鶴
「最後の夏休み」①全8首
夏列車乗り継ぎながら海に来た終業式のすぐあとのこと
「つまんない」あとさきばかり考えるぼくを見透かしきみは裸足に
濡れるのをためらうぼくをよそにしてざぶざぶ波をきみは踏みだす
もしかして引き返さないと思わせるそんな背中が少し恐くて
#楽詩 絵・甲斐千鶴
最後の夏休み
あの日からきみは変わらず十七で
最後だなんて思わないまま
さよならを言ったあの日から
熱波の夏 涼しい夏
いったいいくつの夏が通り過ぎていったのだろう
ぼくの手に残っていたのはこの笑顔だけ
#楽詩 絵・甲斐千鶴 詩・知己 凛
向日葵よりも、太陽よりも眩しくて。
その笑顔をまだ――もっと見ていたくて。
蝉時雨も漣もおさまって、夜空に咲いた花火も散って。
夏が終わりに近づいても、その笑顔をもっと――ずっと見ていたくて。
新しい季節が始まるように、キミとずっと――これからも居たいと、願った――。
#楽詩
絵・甲斐千鶴
カンナ色の車で
飛ばしてきた
大好きな海は
昔と変わらない
波のひかり
午後3時
温かいオレンジティー
あなたの真似をして
作ったわ
冷たい風に
香りを乗せる
天国に届くかしら
手のひらには
一枚の写真
声を聞きたい
紅茶が冷めても
あなたは
まだ微笑んで
最後の夏休みにいる
#楽詩 絵・甲斐千鶴