ロリンチ「ーー清姫は今シャドウ・ボーダーの集中治療室にいる。傷そのものは二人が最優先で処置してくれたお陰で完全に塞がっていた。しかし、それは霊基面の話であって魔力面は回復する気配が一向にない。それどころか、霊核自体が失われ、生命活動そのものが停止している状態だ」 

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ロリンチ「重傷を負ったのは燕青、巴御前。こちらは治療が遅れていたのが原因であって現在は快方に向かっている。他のサーヴァントも殆どはマルタとスカディの治療のお陰で、今は活動が可能だ……ただ一人を除いてね」 

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新所長「……よく戻ってきたな。サーヴァントたちの損傷は凄まじいものだが、おまえたちが無事である事は喜ばしい」
「…………」
新所長「…………技術顧問、状況の説明を」
ロリンチ「あ、ああ。説明ね。もちろんするとも」 

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最後の人「"カルデアの者"か」
マシュ子「ーーーーっ!」 

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マシュ子「……先輩!清姫さん!」

誰かの声が聞こえる 

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目にしたのは3つの影だ

悠然と立っているキリシュタリア・ヴォーダイム
血にまみれた姿で抱きとめられていた清姫
そして……

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血に濡れた彼女の亡骸がある
抱きしめている腕が震えている
それは今わたしの身体すべてがそうであり
息が絶えず吐き出す音が鼓動の早音と重なって 

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最後の人「故に、満たすものを失った。君の在り方だけが彼女を彼女たらしめていたというのに、君はそれを手放してしまった」

やめてくれ
お願いだからそれだけは言わないでくれ 

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最後の人「ーー君だよ、名も無きカルデアのマスター」 

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最後の人「ーーカドックの忠告は無駄になったか」
「どうして」
最後の人「それを私に問うのか。原因など1つしか無いだろうに」 

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私にとってかけがえのないもの
これまでずっと私を支えてきたもの
彼女の身体は血に濡れていた
今回も『いつものように』守ってくれて
また彼女のお陰で生き残ることが出来たのだ 

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マスター、ますたぁ、旦那様、エルトさま、エルトリスさま 

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走り抜けた二年間、傍らに立っていた二年間
何もかもが真新しくて、何もかもが鮮やかに見えた
差し伸べてくれた手を取るのはいつも恥ずかしくて
しかし握ってみると、辛い只中にいても笑みが溢れてしまう

そんな日々しか送ってこなかった 

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思い出す
ーー転身したわたくしをかっこいいと言ったことを
思い出す
ーーわたくしに嘘は付かせないと言ってくれたことを
思い出す
ーー先を識るもう一人のわたくしと対峙した夏のことを
思い出す
ーーその日、あの方がわたくしを妻として迎えてくれたことを 

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身体が重い
血を流し過ぎたのだ

視力は既に喪われていた
巨星の光に眼を灼かれてしまったのだ

それでも這って進む事は出来た
なんとなく蛇っぽい特徴があるからだろうか
場所もなんとなくわかる
ストーキングもこういう時には役に立つ 

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甲板ということは船の上
それはつまり自分が守ったあの船だ
あの方がいる船の上
つまりあの方はこの近くにいるのだ

幸運に恵まれた、と感じた
これがもし海に落ちていたら
二度と会えなかったのだから 

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トモエ「待ちなさい……!」
最後の人「待つ、か。満身創痍の君たちに出来ることなど何もない。それ以前に、私と認識の齟齬があるようだ」 

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最後の人「……砕いてみせたか。人理焼却を乗り越え、四つの異聞帯を滅ぼしてみせた実力を侮ってはいなかったのだが」 

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