――あと少し、あと少しだけ持ってくれ。
俺は、荒い呼吸を必死に整え、息を吸い込み、震える手を伸ばす。
最期は、笑顔で終わらせよう。

「皆、大好きだ。幸せになってくれ」

霞む視界の中、皆の顔が驚愕に染まるのが見えた。

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