「君達や世界やあの子に沢山の愛と「幸福」がありますように」

馴染みのある言葉と同時にミサンガが揺れる。

それが「戻ってきた感覚」と共にアーフェの姿が見えなくなっていく。
手の温もりが少しずっと抜けていく。

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「君はとても優しい子で、幸せで」アーフェはユキナの手を取る。
「…………きっと、救いたい君にピッタリな力だと思うよ」
手が淡く光る。

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「何も壊すことなく、壊れることなくそれが叶うのなら…。私は、救いたいって答えます」

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「最後の最後で貴方達が壊すんですね」

彼の瞳は「神様」のように黒かった。

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すぐ近くで、彼女のそばで、彼女を支えようとした何かがいた。

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「ルベルは僕を破壊しようとしてたけど!僕は生きてる!アイツは僕が死なない限り来れない!だから僕の勝ちだよ!ヒスイももうすぐ死ぬ!!アイツは来れない!お前達は助けられなかった!お前達の負けだ!負け!負けなんだよ!」

両手を上にあげながらリュゼは高らかに笑う。

……?

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大きな口を開けてばけものは嬉しそうにルベルに飛び込んでくる。

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暖かい声につられてばけものは後ろを向く。
暖かい光を見てリュゼは。

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「おまえ、おまえか?腕が消えたの、おまえか?おまえ、あの男、どっちだ?僕の腕、おまえのおまえのせいで、かえせよ僕の家族だぞ、かえせよかえせよ家族、かぞくにならないくせに、生意気に、生意気に。」ぐぐぐと首がだんだん締まってくる感覚がする。

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「え!ちょ、ちょっと魅縛くん?」突然自分の後ろに隠れた魅縛に驚いて無い武器を構えようと扉を見ようとした瞬間。

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見えたのは、こちらに飛んでくるであろう水色と黒い布と茶色髪。
それしか分からなかった。
魅縛は咄嗟に扉の中に戻り松葉の後ろに隠れる。

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ルベルさんを支えながら後ろへ下がるよう促すと、じたばたと黙って抵抗される。
こんな酷い状態で何をするつもりなのか。何が出来るというのか。
「暴れないでください、出血が酷くなるじゃないですか!死にたいんですか!!」
カチンときて一喝してしまった。

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そんなばけものはしばらくモグモグとした後にごくりと飲み込んでお口についてる血を拭いてから「ねえ?早くしないと死ぬかもしれないよ?早く早く!」と笑って言っている。

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「…………!みは……ッヂョ!?」ばけものと魅縛の光景に少し気を取られていたのかばけものの手がこちらに向かっていた事に気づいて咄嗟に持ってる武器で手を別方向に弾いてしまった。

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