「わかりました…。

それでは
お二人の活躍で世界は救われました!
本当に心から感謝します!

私とはコレでお別れですが最後に一つだけ…

夢は…私達は、いつだって
あなた達をすぐそばで見守っています!」

妖精さんが別れを告げると二人は眩しい光に包まれ…

それから…

3 7



すると灰被りの女の子はお姫様のような輝くドレスに身を包んだのです。

「ありがとう、きらりちゃん!

私はやっと自分の名前を思い出す事が出来ました。

私は…私の名前は

"シンデレラ"」

そして暗闇と絶望の世界に一つ、また一つと白いアネモネの花が咲き出したのです。

4 13



確かに彼の言う通りなのかもしれない…

それでも、きらりは思うのでした。

夢や希望が無ければ、それを失う悲しみは無くなるかもしれない。

でも

それは、きっと

[誰も笑えない世界]なのだと!

きらりが向き直ると同時に、八つの光が暗闇の世界に差し込んだのです。

5 12



きらりの目の前に夢で見た灰被りの女の子が現れたのです。

「やっと、あなたに会う事が出来た。

"コレ"をあなたに…」

女の子はもう片方の[ガラスの靴]を持っていました。

それを受け取ろうとした瞬間…

「…この時を待っていたぞ」

どこからか冷たい声が聞こえます。

2 12



[夢のカケラ]は一つになり
ガラスでできた靴の形になったのです!

「あれ?でもおかしいです…もう片方の靴がありません…」

きらりは妖精さんに、度々見ていた夢の事を話しました。

「きらりさんと同じ願いを持つ女の子…
それに暗闇の広がる場所…

もしかして!!」

3 11



きらりは妖精さんに集めた[夢のカケラ]を渡しました。

「これで[夢の結晶]を元に戻す事が出来ます。

そしたら、この暗闇にも対抗出来る力になるハズです!」

妖精さんが魔法の歌を歌い始めると
八つの[夢のカケラ]が一つまた一つと輝き合わさっていきます。

そして…

2 10



【最終幕間】

「あの子が[夢のカケラ]を集める度に記憶が戻って…

けれど私は私が誰かまだ思い出せない

いいえ、今はもっと大事な事がある

あの子に"コレ"を渡さないと

…自分の足で歩かなきゃ!」

私はこの"希望"をつめて歩き出しました。

大切な[未来]の為に…。

2 9



きらりは皆に耳打ちをします。

「あぁ!良いですね!!」

「アタシも文句ないぜ!」

「うん、最後の願い決まったね!」

アラジンが魔人に最後の願い事を伝えました。

「ランプの魔人、私達のお友達…あなたに自由を!」

魔人はとても驚き、そして涙を浮かべ喜びました。

3 12



残る願いは後一つ
しかし誰も最後の願いが思いつきません。

「全ての願いを叶えたら、あなたはどうなるの?」

アラジンが魔人に尋ねます。

「…次の御主人様が現れるまで…ずっと狭いランプの中です…」

魔人は少し寂しそうに答えました。

そこで、きらりは閃きました。

4 12



アラジンがランプ撫でると

「呼ばれて飛び出てサイキック
御主人様方の願い事を三つまで叶えましょう!」

なんとランプから魔人が現れたのです。

きらり達は遺跡から出たいと願いました。

「お安い御用です!むむむ〜ん!」

魔人が念じると、あっという間に遺跡の外です。

5 19



「私はシェヘラザード
このハラヘッタ王国のお姫様だよ!

二人は私の幼馴染で

ゆるふわな大商人のアラジンと

熱血冒険家のシンドバッド

三人でどんな願いも叶えてくれるという[魔法のランプ]を探しているんだ!」

きらり達も一緒に[魔法のランプ]を探す事にしました。

6 18



そして優しい心を取り戻した竜は晴れやかな空へと飛んでいきました。

「…私、ずっと夢を見ていました。

そこは暗闇が広がる世界、夢も希望も失われた世界…

あの竜もきっと"絶望"に呑み込まれてしまっていたんだと思います…

きらりちゃん…あなたに希望を託します!」

5 14



「ありがとうございます!

みなさんのおかげで、永い眠りから覚める事が出来ました!

優しさ、思い出してっ
ハッピーエンドウェーブ!」

眠りから覚めたお姫様が魔法のステッキで星を振り撒きます。

すると茨の森と竜を覆っていた黒いオーラがみるみる剥がれていきます。

2 9



きらり達は闇雲に逃げ惑い

やがて行き止まりになっている道へと入ってしまいました。

そして、そこには妖精さん達の言う魔導書があったのです。

魔導書を手に入れたきらり達でしたが、竜はすぐそこまで近づいています。

逃げ場はどこにも見当たりません…
絶対絶命です!

5 23



「ちょ…何する気よ…」

「えっ…冗談…ですよね?」

「おぇ…吐きそう…」

みんなが不安の声を漏らします。

「いくぞ☆スウィーティ!!!」

そんな不安をよそに
五人を乗せた木の板は山の急斜面を物凄い勢いで滑走していきます。

そして、みるみる崖が近づいてきます。

6 17



そこには4人のお姉さん達がいました。

「私達はいなくなってしまった女王様を探しているの…何か知らないかしら?」

きらりは事情を話し女王様を一緒に探す事にしました。

五人で雪道を進んでいくと断崖絶壁に出てしまいます。

その先には…

「ちょっと…なによ、あれ」

6 18



きらりが目を覚ますと

そこは白い雪に覆われた森の中でした。

どこかの山奥でしょうか?
並ぶ針葉樹にも雪がどっさりと乗っています。

きらりが広がる銀世界を眺めていると誰かに声をかけられました。

「もう、本当にどこへ行ったのかしら…
あら、こんなところに人が?」

10 23



「ここに集まった人達はみんな、この国のお姫様に会いに来たんです」

「先日、王様からのお達しがあって
なんでも、お姫様を笑顔にする事が出来た方には、物凄い報酬が与えられるとか」

お姫様を笑顔に

きらりはその言葉がとても気にかかり、お姫様について聞いてみました。

5 15



「私はあの日こことは違う暗い世界へと拐われてしまったの

そこには"絶望"があった

でも、私は希望を捨てなかったわ
私を信じてくれた、あなたがいたから

時間は掛かってしまったケド
あなたの心が、あそこから出る道導になってくれたの

オデット

さあ、踊りましょう。」

2 12



やがて夜も更け、みんなが諦めかけた頃…

月明かりに照らされ、美しく艶やかな漆黒の翼が舞い降りたのです。

「信じてたよ、オディール」

オデットが笑いかけました。

「会いたかったわ、オデット」

オディールも微笑み返すと
十年間、何があったのかを話してくれました。

3 15