あるいは、突然その小さな文机から呼ばれたまま、帰って来なかったか、又は死んだ為、ちょうどその文章の只中で、筆をとめたのかもしれない。が、なぜこれらのものが、未完結のまま残されたかは、神ならぬ身には、誰にもはっきり分からないのである。

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23帖・初音【明石の君】
 年月を
 松に引かれて
 経る人に 
 けふうぐいすの
 初音きかせよ

51帖・浮舟【浮舟】
 たちばなの
 小島の色は
 変はらじを
 この浮き船ぞ
 ゆくへ知られぬ

紫式部「源氏物語」
作中歌であることに改め驚く

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「わかるか、旧友よ、おれはまさしくイセク“だった”」

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「投げ出すのではない。挑むのだ。絶望に屈したのではない。希望に膝を屈した。オレは希望に降伏して、そこから新しい場所へと踏み出す。もう一度。」

—『炎の蜃気楼 昭和編11 散華行ブルース (集英社コバルト文庫)』桑原水菜著

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『本当の自由の経験とはこういうことだ-----この世で一番大事なものを、所有することなく、抱きとめること。』

「11分間」
パウロ・コエーリョ

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