猫とカエルくん

猫のお友達のカエルくんはいつも無口。おしゃべりはしないけれど、猫はカエルくんが好きだった。猫がうとうと昼寝をはじめると、ふたりのまわりには白い花があらわれ、気持ちのいいベッドのようなった。



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クラゲの兄弟
ひとりぼっちの猫にはかつて4匹の兄弟がいた。新月の夜、漆黒に包まれると、猫は何もない宙をあちこちと見つめた。猫にしか見えない、クラゲに化けた兄弟がそばにいるから、猫はさみしいと思ったことがない。

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猫の時間
大きい猫は考えた。小さい猫たちは両脇で見守った。3秒間時が止まった。

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つばさをもらった猫

鳥の先生は言いました
「猫よ、特別にあなたにつばさを差し上げた。どこでも好きなところに飛んで行けるよ」
猫は返しました
「とりあえず昼寝をしてから考えます。まだもう少しこの家にいたいのです」
鳥の先生はじっと猫を見つめた。

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泣いてもいいよ白猫さん、怪我はすぐ治ります。公園の森に朝日が差し込むまで世界は私らだけのもの、誰にも邪魔されずに散歩して、やがて朝になったら家に帰って眠りましょう。




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窓辺の猫たち

いってきます
とあいさつして出かけます、窓辺でお見送りする猫たちに。
なるべく早く帰るから待っててね。
お約束ね。





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猫と出逢う
(水彩)
私は猫が私の握手に応じたら家に連れて帰ろうと思った。猫は3秒ほど考えて差し出した手に前足をそっと乗せた。本当は握手なんてしてくれなくても家に来てもらおうと決めていたのだ。


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