なんとなく流されていく自分の人生をぼんやり眺めている物語の「わたし」は私かもしれない。いい加減な彼と彼の母親もどこか私に似ている。前向きでも後ろ向きでもどちらでもいい。流れ着いた場所で絶望しない間抜けさと呑気さで私もしぶとく生きてやる。

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