残業から帰宅/片桐早苗 

マンションのドアを開けると女性の芳香と小さな赤い靴に気付いた。ソファーの背もたれから仰け反り嬉しそうにこちらを向く。重さで張り詰めたブラから零れた胸がニットから覗いていた。そして早苗さんの問に僕は答える。

「うーん、ごはん」…と。

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