たった1度、魔が差しただけだった
善行とも取れるその行動で
平凡だった男は鬼となる

鬼/吉川英治

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『この壁に近づく者は、有情と非情と、生けると死せるとを問わず、この針の動くが如くにわが意思は働く。この家に呪いあれ。ここに住む者は不安なれ』
“The Haunted and the Haunters - or, The House and the Brain/ Edward Bulwer - Lytton”

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『アァ…ジブンハカエルワケニハイカナイ!』

私は帰れません。帰らぬ決意をしました。

ビルマの竪琴/竹山道雄

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──戦慄が闇を走った。
だが次の瞬間、“私”は意識を回復した。

静かに心を落付ながら、“私”は今一度目をひらいて、事実の真相を眺め返した。

その時もはや、あの不可解な猫の姿は、“私“の視覚から消えてしまった。

萩原朔太郎「猫町」

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みんなが一つずつ
じぶんの海をもてばよいのだ
わかれるとき
どこへでも持っていけるように

~ 寺山修司少女詩集より 海 ~

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「己はお前をほんとうの美しい にする為めに、刺青の中へ己の魂をうち込んだのだ、もう今からは日本国中に、お前に優まさる は居ない。お前はもう今迄のような臆病な心は持って居ないのだ」
      谷崎潤一郎 『刺青』

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参加させていただきました…!

『青白いふしあはせの犬よ。』

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