「爆弾が攻撃されている模様」ガトヴィンソンが報告。「直ちに援軍を…」
「その必要はないわ」とアゼルスタン。「第1支隊は撤収。起爆シークエンス」
「了解」
ガトラン艦が都市から離れていく。
「重核子爆弾、粒子加速」

0 5

陣頭指揮を執るガトヴィンソンは不満げだ。「デザリアムは後方支援だけで兵は出さない。ザドルは機械化兵を持っていない。大した問題ではないと思っていたが…ここへ来て大問題だ。ハイペロン爆弾を起爆時に守れる兵士がいない」

0 3

愉しげに舞うアゼルスタン。
「何をはしゃいでいる?」ザドルが眉を顰める。
「あの方のお役に立ててると思うと、嬉しくて…」
「我らの共通の友人のことか」
「肝に銘じなさい、大佐。お前も私も、あの方の駒に過ぎない!」

0 4

「都督閣下のお出まし」
ホロ映像でハレインフォールズに現れるアムラム都督。「ご苦労だな、ガトヴィンソン」
「は!」
「まさか重核子爆弾を使うとは…庶子め、愚かさ極まれりだな」
「中止しますか?」
「いや、続けろ」

0 5

「いつの間に!?」スプリガンの出現に驚くリード。「潜入だと? 不可能だ。一か八かで空爆する方がいい」
「いや、待て」とイベル。
「将軍?」
「彼ならできるかもしれない。スプリガン君は、そういうことができる逸材だ」

0 7

慄然とするイベル。「あれは戦術重核子爆弾だ。爆発すれば、半径百キロ圏内のザルツ人は死滅する」
「なぜすぐに爆破しない?」とリード。
「政治的な理由だろう」
「いずれにせよ、最早一刻の猶予もない。直ちに総攻撃を!」

0 5

「ハイペロン爆弾を使うだと!?」仰天するオリス。
「ザドルは構わないと言ってるわ」アゼルスタンは微笑を返す。「自国領土なのにね。ガトヴィンソン、起爆シークエンス」
「待て!」とオリス。「その前に、本国と話をする」

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ハレイン駐留軍臨時司令部が、スプリガンと交信。「私は司令官代理のリード少佐だ。スプリガン中尉、支援感謝する。我々はガルマリウス基地に支援を要請しているが、現在応答なく孤立中。状況を確認したい…」
通信が途切れる。

0 5

ムルケと交信するオリス。「アゼルスタン・ククリットがザルツの戦争省大臣に就任したのは、貴方のシナリオか?」
「無論だ」
「適任とは思えない。我々が欲しているのは安定的な資源補給ルートだ。新たな火薬庫などいらない」

0 3

「マスター、牡蠣をもらえるかな」エゼレッドが注文し、アーキに向き直る。「で、アーキさんだったか。貴方はガミラスを過大評価しているぞ。ヤマッテとかいう異星人の船にバラン星を破壊されて以降、あの国の威信は地に落ちた」

0 5

デザリアム人に声をかけるアゼルスタン。「浮かない顔ね、オリス司令」
「ザドルに期待したのは誤りだった。彼なら治安を回復できると思ったのだが」
「私が戦争省大臣に就任したからには、すぐですわ」
「そう期待したいね」

0 4

渋々語るエゼレッド。「アゼルスは同僚だ。あんなイカれた奴を大臣にするとは…ザドルは阿呆か。残忍な奴だぞ。オロークのように捕虜の皮を剥いだりはしないが、捕虜の顔に小便を浴びせたり、悪魔崇拝めいた儀式をさせたりする」

0 3

「ガトランティス人は珍しい…か」アーキに応えるエゼレッド。「すぐにそうでもなくなるぞ。ザルツ星はまもなくアムラム領になる。だが安心しろ。前線指揮官のアゼルスはイカれた奴だが、都督は慈悲深い。今よりは平和になるさ」

0 6

ハレイン戦区臨時司令部。
「イベル将軍」司令官代理リード少佐が意見具申。「ガルマリウス基地からの援軍を期待できない以上、戦線を縮小すべきです」
「ガミラスに撤退の二文字はない。だが、安心したまえ。援軍は必ず来る」

0 9

「攻撃スコードロン、目標の破壊に成功。防空網制圧率85%」
「ハレイン州政府は降伏勧告を聞き入れた?」
「いえ」
「頑固ですわね。もう戦う力もないくせに」肩をすくめるアゼルスタン。「揚陸即応旅団、降下作戦開始!」

0 4

「俺は疑われてるのか? 冗談じゃない! あんな男など知らんし、全くの無関係だ」エゼレッドは話を逸らすべく、スプリガンに向く。「ところでお前…さっきのは魔法か? さてはただのザルツ人ではないな。ニーベルング族か?」

0 4

手下が次々倒れ、アンサーリだけが残った。その時、彼はこの場で唯一のガトランティス人に、すがるような目を向ける。「お助けを…閣下」
「あ?」エゼレッドも慌てる。「失せろ!」
アンサーリは頷き、部下を捨てて逃走した。

1 4

青い閃光に怯む〈フェダイン・ザドル〉の兵士ら。だが、アンサーリは威嚇をやめない。「ルールだと? 笑止! ルールは支配者が決めるもの。ここでは我々が法だ! そんな手品など我らには通用せぬ。殺せ!」
武装集団が発砲。

0 6

攻撃命令を発し、冷笑するアゼルスタン。
「戦争は、望むところですわ! 大帝の血を引いているとはいえ落とし子で…おまけに容貌も醜く、宮廷で憎まれている私にとって、平和な時代は居場所がない。ゆえに、私は流血を愛す!」

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ザルツ新政府から支援要請を受けたアゼルスタン前衛打撃群。
「支援は空爆だけだと思っていた。まさか、ハレイン殲滅を頼まれるとは…ザドルの兵力不足は深刻ですわね。いいですわ! お望み通り、あの地区を石器時代に戻す!」

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