無人のビル街の隙間に、時代に似合わぬリラやフルートの音が鳴り響く
誘われて歩む整列の瞳に生気はなく、やがてくずおれると同時に蝶が舞う
安らかな光をその身で灯す蝶は火は幾何学は先導する女の指揮棒に併せ右へ左へ揺れ踊る
もうすぐだ、もうすぐだ、もうすぐ安全な場所へ辿り着く

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