【もうひとつの街/ミハル・アイヴァス】
雪降りしきるプラハの古書店。存在しない文字で綴られた菫色の本がもうひとつの街へ導く。降り注ぐイメージと言葉に翻弄され、裏側から染み出してくる声に現実の輪郭が揺らぐ。時間は崩れ落ち、目的地は消え、私たちはこの世界に閉じ込められているのだろうか。

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【「あなた自身、どこかのまぼろしの街の住民のようになりつつあるじゃないかね。どうしても、もうひとつの街に行きたいというのなら、ほかの選択肢を選ぶべきだね。図書館を通っていくルートは、あまりにも危険だ。図書館は油断ならない場所なんだ」】

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図書館の密林(2020)
ミハル・アイヴァス 「もうひとつの街」より

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