老猫は鹿と林の奥に消えていき、妖怪は黒猫と残された。
妖怪は黒猫に手を差し伸べるのだが、手が届くまさにその時……


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老猫を背中に乗せて、鹿は池の上を歩いていく。
あたりは物音がしない。
水の音も。
月の明かりが鹿と老猫を照らしている。


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