「やっと来た.遅いよ.
 …行こう.もう夜がきてる」

3 6

某所に存在する,違法集合建築住宅群「九頭龍城」.
活気と喧騒に塗れた巨大迷宮.

そんな昼間の喧騒が家路についた,深夜.
この街に,理外の影が蠢き出す.

それが———九頭龍深夜.
夜の底,闇の温度に身を任せて,飛ぼう.

3 5