【ゲブラの実】
ディウティスク南部に広がる昏き森デュンケルバルトに生息する凶悪な吸血植物の実。強烈な酔眠効果の香りを放ち、眠らせた森の生物から血液を奪って成長し、そして凝縮された純血の実をつける。これから作られる薬こそ吸血鬼愛用の霊薬“レッドリキッド”である。

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【ギャロウズ・ヒルの枯れ木】
干からびた人間の腕のようなねじれた不吉な樹木。魔女狩りで有名だったアメリクシアのマサソイト州の街シャロムの外れにある昼でも薄暗い林で採れる。魔女術“死者の蝋燭”等の呪術の触媒にも利用され、幹は絞首台の材料にも使われた歴史がある。

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【焔百合】
火花の咲く真紅の百合。火の属性成分が高すぎるため花弁は開くと同時に燃え上がり、葉や茎に含まれる植物性油脂は異常に多く、種も少しの間日に当てると文字通り火種となる。松明代わりに使えるものの山火事が絶えないため危険指数はB+。花言葉は〝燃え尽きぬ恋〟。

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【ヒステリヨス】
派手なカサのきのこ。ではなく強力な錯乱、幻覚作用のある“夜の陰”の魔女花。僅かな量でも劇毒のため使用には厳しい制限があるが、北海の荒くれ者ヴィーギンどもは“狂戦士のキノコ”としてそのまま食らい、狂暴性と剛力を得て、死ぬまで喜んで戦い続けたという。

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【コブ茸】
ぽこぽこと自身から更なるキノコを生やすキノコ。希少で大陸三大茸の一つに数えられるほど味も香りも良く、“キノコの国の王様”の別名もある。特にロスティバーレやポルシュカで愛され、その調理法はパスタやリゾット、スープにソテー、オイル漬け等枚挙に暇がない。

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【ルツボカズラ】
主に東南洋の熱帯雨林で見られる壺のような人喰いカズラ。“甘い毒”と呼ばれる鉄すら溶かす凶悪な消化液の蠱惑的な香りで獲物を誘い、蔓で捕らえ、溶かし殺す。過去に生息域を訪れた探検隊が壊滅した事例もあり、捕虫袋の中には大抵骨が浮かぶことから骨壺葛とも

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【更けヨルガオ】
幻想的なランプのような花。自生する国、季節を問わず、必ず月の出と同時に花が閉じ、その際に強力な睡眠効果のある花粉を撒き散らす。毒のボルジャ家はその花粉を利用した“ソスピーロ”という無味無臭の永眠薬を開発したが1748年に製法ごと歴史の闇に消えた。

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【はてなゼンマイ】
首を傾げそうなユニークな見た目のゼンマイ。大陸東方の鬱蒼とした森の崖や渓流で育ち、良質なものほど多く渦を巻き、魔力を含む。ただし、右巻きのものは有毒なので口にするなら左巻きのものだけにしておくこと。癖のある苦みが美味。天ぷらにして塩でいけ。

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【仙人瓢箪】
絞るとどんどん酒が出てくる夢のような瓢箪。東洋の虚蔵山に住む酔いどれ仙女にして八酔拳の達人である白桃玄女が発見した。龍が溺死するまで飲むほど美味らしく、一口飲めば詩が溢れてくるという逸話がある。和名神酒瓢(みきひさご)。

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【マッスルガーリック】
所々焦げ付き、今にも噴火しそうなエネルギーを秘めたニンニク。疲労回復と強壮作用で知られ、丸ごと齧れば効力が切れるまで狂戦士と化す。また、その食欲を煽る香味は洋の東西を問わず調理に使用されており、臭いほど美味いらしい。和名キンニンニク。

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【王冠ドングリ】
人の頭ほどもある巨大なドングリの王様。正確には兜ドングリの仲間で、その中でも最大のものを指す。それらは共通して強固な殻斗(ぼうし)を備え、地域によっては防具として扱われることも。栄養価は高いが味は渋みがエグいのでアク抜きが大事。

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【ヒトカタサボテン】
西アメリクシアの荒野に分布する踊る人のような怪奇植物。幻覚作用を持つ成分を多く含み、服用すると最も恐ろしいもの、或いは愛しいものが見えるという。また、同地における先住民族のメディシンマンが午前二時類感呪術に用いた。マンドラゴラの一種らしい

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【宝石ベリー】
その名の通り宝石のような七色の実をつける可愛らしい植物。土や水に含まれる属性成分によって色や形が変わるらしく、見た目の華やかさからフランキスやシュヴァイスの菓子職人に愛用されることが多い。有名なものは特製のシロップをかけた“フルーツの宝石盛り”。

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【幻灯のターニップ】
悪戯好きの提灯蕪。雨の日に鬼火を宿す怪奇植物。主な原産地はドゥナレリ島で、特に10月31日には特別な意味を持つ。葉の部分を煎じ、霊的調合したものには魔に対し免疫を強める働きがある。浅漬けにしてもシチューにしても美味。

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【ヒートジンジャー】
火山帯で育ち、火の属性成分を含む危険な生姜。しかし、用法を守り、煎じたものには強壮や健胃、発汗、殺菌など様々な薬効があり、生のまま齧れば凍結の呪をも防ぐ。寒冷地では冬の寒さ対策に使用される他、これで味つけをした“デンジャーエール”も人気。

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【明けアサガオ】
夜を祓う暁の花。自生する国、季節を問わず、必ず日の出と同時に咲く。しかし、それ以外の時間帯で茎を引っこ抜くと凄まじい破裂音と香りを発し、いかなる眠りの呪縛をも打ち消す。近年、汎大陸魔道学会はマンドラゴラの一種ではないかと発表した。

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【大砂バラ】
限りなく魔石鉱物に近い砂漠の薔薇。学名ロサ・ヴァスティタス。土の属性成分を過剰に取り込んだため、その棘が刺さると瞬く間に石化の呪毒が体に回り、石像と化す。大砂原東部の岩石地帯でよく見られる。霊泉に七日浸し、無毒となったものはインテリアとして人気。

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【青風のハッカ】
衝撃的なまでに清涼感溢れるミント。その葉と茎には稲妻めいた葉脈が走り、一口齧るだけでどんな幻覚からも目覚めるという。また、茎を煎じたものには強い鎮静作用や麻酔効果が、乾燥させた葉は香料や薬味等と古くから多岐に渡って利用されている。

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【鬼トウガラシ】
火の属性成分が強烈に豊富な激辛地獄トウガラシ。辛すぎて燃える(?)らしく、まず直接手に触れただけで火傷する。スパイス文化で知られるバラドですら使用が制限されているが、繊細な調合を施せば強心剤として利用が可能。東洋では鬼泣辛子とも。

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【髑髏きのこ】
毒殺死体のあった場所からのみ生える魔の毒キノコ。とはいえ口にする方がどうかしてるビジュアルなので自然の事故の報告例は殆ど無い。しかし、衝撃を受けると劇毒の胞子を周囲に撒き散らす習性から、敵の集団に投げつけるという戦法で古来より使用されている。

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