【地獄のダイナモ】
深度15,000mの地の底で発見される閃雷石を、針金や機器で無理やり繋ぎ合わせた魔界の電池。時空を歪める程の地獄の雷を天に落とす力を秘めた強力な呪具で、感電死することで位階を高める狂った隠秘結社"ララ・リ・エウォエ"の電気処刑機でもある。

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【蝋燭のスクロール】
火の魔道書の頁を核とした焼死体の屍蝋燭。離れた場の対象を火柱で焼き尽くす術を使うことができるが、誤ると自身が蝋燭となる。記録では1856年に北アメリクシアで人体発火現象が相次いでおり、裏でこの呪具を扱う深淵主義者が関わっていたことが判明している。

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【恐貌のハンドミラー】
映った者を石と化す柄鏡。絢爛たるフランキスの貴族時代、永遠の若さと美しさを求めたミロヴェイユ子爵夫人がその欲ゆえに鏡に閉じ込められ、以来石になる恐怖に歪んだ自身の死に顔しか映らない魔の鏡になったという。ただし男性には無害。

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【死母神のコルドロン】
死者を産む邪悪な女神が愛用したとされる冥府の植木鉢。異様に冷たい青銅に似た材質でできている。ウィドとカバラに精通した深淵主義者なら不浄の大地のゴーレムを作り出し、そのまま屍霊の爆弾として使役する凶悪な呪術"刑場の土"を発動することができる。

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【賢蛇のアンギヌム】
邪悪なドルイド僧たちに伝わる魔石の卵。よく舌の回る蛇の唾液と血と毒を卵のように凝固させた蛇紋魔石に本体も生きたまま封じたもの。ドゥナレリの秘儀により、詠唱短縮の神秘を秘めている。古代のドルイドたちが裁判の際に持ち込んだとか。

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【愚王のウェセク】
古代ケムト王朝の“首の無いファラオ”の28本の歯で作られた気味の悪い首飾り。デュハーカの禁に触れた罪で死後に邪な考えを思いつかぬよう斬首の刑罰を受ける。所有者は命ある限り魔を引き寄せ、まるで刑罰をものともせず首飾りが笑みを浮かべているようにも見える。

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【百面相のパレット】
あらゆるものに姿を変えることができる人の横顔のようなパレット。“変身"という魔道的分野において右に出るものはいないとされる顔の無い魔女の絵の具の術具。魔女狩りの時代、多くの魔女たちを異端審問官から逃す一助となった。"生きている絵画"の作成も可能。

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【雑鬼のゴブレット】
群がる矮小なるものどもの罅割れた聖杯。欲深い一〇八の魂と引き換えに窮極の知識を一つだけすくうことができる深淵主義者たちの呪宝。まるで掲げた両の掌にも見えるその形はすくってもすくいきれない人の世を示唆する。シュヴァイスの黄金の聖杯のレプリカとも。

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【深世界のシーシェル】
光と音の無い"溺れたもの"たちの奇怪な貝殻。耳に当てると深き波音と不特定多数の囁き声、そして何かの鼓動が聞こえる。心弱き者なら90秒も聞いてるだけで精神が崩壊するが、あえて魔道の世界へ挑まんとする者なら或いは深みと淀みの力を得ることも可能である。

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【死祖のポートレート】
アメリクシア北東部の陰鬱な片田舎の"あの屋敷"にあった肖像画。"あの屋敷"の持ち主である男が自身のルーツを調べる過程で発見したもので、男は肖像画を撃ち抜いた後、拳銃自殺したとか。持ち主の霊的潜在能力を覚醒させるが、使う度に正気が削られていく。

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【喰人鬼のカトラリー】
1888年に世間を恐怖の渦に叩き落した連続吸血殺人鬼の一人"執刀医"の吸血剣。呪術室のメスと鉗子。魔道書『楽園のレシピ』に傾倒しただけあって使用することで対象の能力の一部を自分のものにできる強力な呪具。

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【六本指のキャンドル】
20世紀初頭の秘密結社“六本指のマレフィキア”のシンボルでもある燭台。通常の栄光の手と違い、六人分の魔術師の死蝋化した指が使われている。火を灯すと明かりの範囲内の生物の活動を停止させる。魔女術でいうところの"死者の蝋燭"、その最上級のものである。

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